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2017.10.06

フランスが「加工写真」明記を義務化 社会の何を変えるのか?

Photo by Pascal Le Segretain / Getty Images


外見だけの問題ではない

誰もが自分にも他人にも、現実的でさえない写真のようになることを強いようとすれば、何が起きるだろうか。自分自身の外見に対する非現実的な願望は、自尊心の低下やストレス、不安、うつ、極端なダイエットといった不健康な食習慣を招く。

さらに、他人にも同様でなければならないと強いる非現実的な期待があれば、体形を恥じることや、いじめ、交際相手や人間関係における誤った選択の原因にもつながる。

米国の女性活動家の団体「SPARK Movement(SPARKムーブメント)」を中心とする運動「Keep It Real(キープイットリアル)」によれば、同国では10歳の少女たちの80%近くがダイエットをしているという。

フランスの新法やゲッティなどの取り組みは、現実のものとそうでないものの区別には役立ちそうだ。だが、デジタル修整技術は今後も向上し、その使用もさらに広がっていくだろう。いずれコンピューター生成画像(CGI)が一層、現実味を増したものになれば、本物の人間が写真に写ることはなくなっていくのかもしれない。

編集=木内涼子

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