米国の「ビリギャル」が破産と復活から学んだ4つのこと

ソフィア・アモルーソ(Photo by Janette Pellegrini / Getty Images)

ソフィア・アモルーソ(33)は2006年、オークションサイトeBay(イーベイ)で始めた古着の販売をきっかけに、「ナスティ・ギャル(Nasty Gal)」を立ち上げ、大成功を収めた。

起業から10年もしないうちに、同社の年間売上高は約3億ドル(約338億円)に達し、アモルーソの保有資産はおよそ2億8000万ドルにまで膨らんだ。2016年には数少ない30代女性の一人として、フォーブスの「自力で億万長者になった女性」のリストに名を連ねた。

だが、彼女を取り巻く状況はその後、恐ろしく悪い方向へと進んだ。ナスティ・ギャルはベンチャー・キャピタルの支持を失い、アモルーソは多くの誤りを犯した。同社は昨年11月、連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請。アモルーソは取締役の地位も、資産も失った。

そのアモルーソは10月3日、フォーブスが開催した30歳未満のビジネスリーダー「30アンダー30」の関連イベントに出席。破産法の適用を申請した日について、次のように語った。

「まるでドナルド・トランプが大統領に選出された日のようだった」「本当に、本当に、本当にひどい一日だった」

多くの人たちにとって、衆目にさらされる中で犯したそれほどの大きな失敗は、起業家としての野心を失うことを意味するだろう。だが、アモルーソはそうではなかった。

今年3月、ベストセラーになった2014年出版の回顧録、「#GIRLBOSS 万引きやゴミあさりをしていたギャルがたった8年で100億円企業を作り上げた話」のタイトルから社名を取った「ガールボス・メディア(Girlboss Media)」を創業。8月には、シードラウンドで120万ドルを調達した。

同社はウェブサイトやポッドキャストの制作、コーヒーテーブルブック(大型の画集や写真集)の出版などを手掛けるほか、「ガールボス・ラリー」と名付けたカンファレンスを開催する。

アモルーソのアドバイス

アモルーソはイベントの中で、「成功とは何か、私たちはその意味を探っている」と語った。

「これ(今の状況)が私の人生を完全なものにする成功だろうか?そうだとしても、それはスーツを着た男性たちの考える成功だ」

昨年受けた痛みは、まだ消えていない。だが、アモルーソはすでに、自分や他の人たちにとっての将来の成功を考えている。彼女は私たちに、次の4つのアドバイスをしてくれた。

1. 「自分と誰かの投稿を比べないこと」

自分の最悪の瞬間をソーシャルメディアに投稿する人などいない。私たちは皆、自分の生活をキュレートしている。だが、それで常に「勝っている」わけではない。誰でももがき苦しむし、肌荒れもする。

2. 「欲しいと言わないものは手に入らない」

アモルーソは、すぐに返信しなかったメールを再度受信できるGメール向けのメーラーアプリ「ブーメラン(Boomerang)」などの使用を勧める。

「何度も何度も、繰り返し要求することが成功につながる」

3. 「何でも信じられる人でいることは、本当に素晴らしいことだ。多くのことを達成できる」

4. 「集中すべきことを絞り込み、それらのことに優れた人になる」

集中することは、場合によっては難しいことだ。多くのアイデアを持ったクリエイティブな人たちにとっては、特にそうだろう。だが、計画を立ててそれに従うことで、あなたもあなたの会社も、気を散らさずに済む。

編集=木内涼子

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