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ビル・ラムズデン(Phd.Biochemistry)/アードベッグおよびグレンモーレンジィ蒸留・製造最高責任者。2017年のInternational Whisky Competitionで2年連続、最優秀マスター・ディスティラーに輝いた。

モルトウイスキーが好きな方なら、アイラ島には一種の畏敬を感じることだろう。ご存じない方に説明しておくと、アイラ島とはスコットランドの北西に位置する、東京23区ほどの小さな島。主産業はウイスキーの製造で、1800年代から大小の蒸留所でウイスキーが造られてきた。

アイラ島産のウイスキーはひと言で表すなら「スモーキー」。「ヨードチンキのような」「クスリっぽい…」などさまざまに表現されるこの特色は、ピートとよばれる泥炭からもたらされるものだ。

泥炭とは湿原にたまった木や草花による堆積物であり、このピートを焚いた煙でウイスキーの大麦を乾燥させる際に、その煙の香りが大麦に付着するというわけ。アイラ島の沿岸地帯ではピートに含まれた海藻がさらにユニークな風味を与えており、この一種独特な香味がモルトファンを惹きつけてやまない理由のひとつである。

現存する8ヶ所の蒸留所のウイスキーのなかで、「もっともピーティー(ピートによる香りがスモーキーで芳しい)」と評されているのが、アードベッグ。1815年にアイラ島で生まれ、クセになる個性的な味わいから、“アードベギャン”と称する熱狂的なファンに愛されるカルト的な存在である。

そのアードベッグに新商品が約10年ぶりに加わった。アイラ島の最南端に位置するマル・オブ・オー(オー岬)にちなんで名付けられたという「An Oa(アン・オー)」はどんなウイスキーなのか、そして「アードベッグ」の楽しみ方について、蒸留・製造最高責任者のビル・ラムズデン博士に話を聞いた。

──アードベッグといえば「世界で最もピーティーなウイスキー」として熱烈なファンに愛されています。この「An Oa」はどんな存在になるでしょうか。

もっとも一般的なアードベッグ10年に比べると、「An Oa」はよりエレガントで洗練されています。飲みやすくて、カラフルな味わいですね。

──そのカラフルな味わいとはどこからやってくるのでしょう。

原酒を、甘さをもたらすペドロヒメネス(シェリー)樽、スパイシーさをもたらすチャーをほどこした(内面を焼いた)新樽、アードベッグらしさをもたらすファーストフィルのバーボン樽の、3種類の樽で熟成させているんです。それらを専用の部屋でヴァッティング(複数のシングルモルトを桶に入れて混和)することによって、それぞれの個性が色彩豊かに放たれるカラーパレットを作りました。

──おすすめの飲み方・楽しみ方は?

アイラ島では一般的なのですが、生牡蠣にアードベッグをほんの数滴たらしてそのままチュッと食べるのは美味いですよ。海産物とも相性がいいので、たとえば「An Oa」を数滴加えた醤油で寿司や刺身を食べてみたらおいしいんじゃないかな。

──試してみましたか?

いや、まだですが(笑)。

──イギリスやスコットランドでウイスキーはいま、どんな風に楽しまれていますか?

すごく自由になったなという印象。たとえばバーで、以前はストレートで飲むのが主流でしたが、最近は水割りやソーダ割り(ハイボール)、カクテルなど豊富なバリエーションで飲まれています。日本のみなさんの楽しみ方が逆輸入されたんでしょうか(笑)。

日本のバーに出かけ、カウンターのきりりとした佇まいや、バーテンダーの美しい仕草を眺めるのがなによりも幸せだというラムズデン博士。おすすめは寿司と「An Oa」という意外なペアリングだったが、たしかに「磯の香りがする」とも言われるアードベッグなら和食との相性も悪くなさそうだ。

寿司屋のカウンターでおもむろにウイスキーを醤油の小皿へ1滴、2滴……目を丸くするだろう大将の顔を想像して楽しくなった。



Ardbeg An Oa|アードベッグ アン・オー
Alc.46.6% 700ml 7000円(希望小売価格・税別)
お問い合せ:MHD モエ ヘネシー ディアジオ 03-5217-9731

編集=秋山 都

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