レクサスの厳密な品質基準を満たす、本格オフローダー

LEXUS LX570 photograph by Tsukuru Asada (secession)

レクサスの“本場”であるアメリカでは、1989年に初代「LS」がデビューして以降、高級車マーケットに常に新風を巻き起こしてきた。

ジャーマン・プレミアムが伝統や権威を前面に押し出したのに対して、レクサスは独自の高級車のあり方を目指して、機能性と品質の高さを両立させた上で、接客やメンテナンスまで高い基準のサービスを提供することにより、独自の高級車市場を切り拓いた。

日本ならではの高級車を生み出してきたレクサスの品質基準には約500項目にのぼる「レクサスMUSTs」という規定があると言われている。静粛性や動力性能といった定量的な評価に加えて、デザインや音質といった定性的な価値まで定義付けており、その結果、比類なきブランドとしての地位を確立した。

2005年の日本発売以来、着実に地位を築き上げてきたレクサスだが、日本市場における“レクサスのミッシング・ピース”とも呼べるものが、フラッグシップSUVの「LX」だった。96年の発売から、アメリカはもちろん、中東やロシアでも人気を博していただけに、日本上陸を待ち望んでいた人も少なくない。

3代目が大幅な変更を受けるにあたって、内外装がモダーンになり、安全装備や快適装備も充実したことが、日本導入の大きな後押しとなった。本格オフローダーの強靭な骨格を備え、フルタイム4WD機構を組み合わせることで、どんな悪路でも走破できる実力を備える。

一方、町中での“イバリ”もなかなかのものだ。レクサス一族に共通のスピンドルグリルが車体の大きさとあいまって、より強烈な個性を放つ。最高出力377ps/5600rpm、最大トルク534Nm/3200rpmを発揮する5.7LV8ユニットならではの力強さで、5080×1980×1910mmもの巨体をぐいぐいと引っ張っていく。

レザーやウッドが奢られたラグジュアリーを極める室内空間に収まり、ハイエンドオーディオで知られるマークレビンソンのサウンドシステムで音楽を楽しむスタイルは、オーバー1000万円の高級SUVにふさわしい。

DATA
駆動形式:4WD
全長:5080mm
全幅:1980mm
全高:1910mm
最高出力:377PS/5600rpm
価格:11,150,000円(税込み・車両本体価格)
問い合わせ:レクサスインフォメーションデスク(0800-500-5577)

ライフスタイルを広げる新しいモビリティの提案

レクサス・ブランドから放たれる初のラグジュアリー・クルーザーが、「レクサス・スポーツ・ヨット・コンセプト」だ。トヨタのマリン事業が20年目を迎えるにあたり開発された。



12.7mの全長の後方にあるシースルーカバーから顔を覗かせるエンジンは、レクサスに搭載されるV8ユニットを船舶用にチューンナップを施したものだ。2基を統合した最高出力は約900psを誇り、最高速度は43ノット(約80km/h)に達する。操作系は大型タッチパネルに統合されており、ステアリングホイール上にも計器類が組み込まれる。レザーやウッドが奢られた船室には、マークレビンソン製サウンドシステムをはじめ、設備の整ったギャレー、エアコンやシャワーなどの設備が整う。

レクサスの世界観を海上にまで広げたコンセプトの登場に目を見張るばかりのクルーザーには多くの反響があり、より大型のクルーザーの商品化が検討されているという。

text by Yumi Kawabata edit by Tsuzumi Aoyama photo by Tsukuru Asada(secession)

この記事は 「Forbes JAPAN No.39 2017年10月号(2017/08/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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