英語のDOと品格を意味するフランス語を組み合わせ、「品格で生まれ変わる」という造語をブランド名にしたドゥクラッセ。極上の着心地のために、伸縮性あるジャージーでジャケットを生まれ変わらせた。
進化と熟成を重ねて極上のジャケットが完成!小暮昌弘(以下小暮):「ダブルフェイス・ジャケット」はドゥクラッセの人気アイテムで、継続してつくられていると聞いています。
寿美良昭(以下寿美):今回で5シーズン目ですが、実は毎シーズン、進化させています。
小暮:どこが進化しているのでしょうか?
寿美:いちばんの進化は「素材」です。加えて「縫製」の部分もステップアップしています。また「価格」の面でもより買いやすいものを、と努力を怠っていません。最初は19800円でしたから。
小暮:すごい企業努力と言えますね。「素材」は一見するとウールと変わりませんね。生地はどんなスペックでしょうか?
寿美:ウールにポリエステルとコットンとレーヨンがミックスされています。
小暮:ジャージーですから、糸を編んでいるのでストレッチ性がある。
表と裏を同時に編み上げたダブルフェイ スの素材。ジャージー素材ならではのストレ ッチ性と丈夫さを備えている。寿美:軽く、伸びて、着やすいことが特徴です。表と裏を同時に編み上げるダブルフェイスなので、表と裏の生地の表情が違っています。今回の素材は、ジャケットに仕立てるのに最適なように、しっかりと編み、しかも軽くて、より伸縮性があるように工夫しました。
小暮:この素材ならば、普通のビジネスで着るウールのジャケットと変わらないですからね。
寿美:これ以上薄い生地にするとラフに見えてしまいます。ビジネスで着るジャケットでは、このくらいの肉厚に仕上げることが重要です。
小暮:ジャージー素材で正統的なジャケットを仕立てるのは難しいのではないですか?ジャケットの中に芯地は使っていますか?
寿美:芯地は入っています。実はこの芯地も毎シーズン、進化しています。今年は肩回りをソフトに、しかも保形性がいいような芯地を開発しました。
小暮:このジャケット、袖にも裏地が付いていますね。こうした素材のジャケットではカジュアルさを優先して、裏地を省くケースもありますが。
右側内ポケットには長財布も収納できる。寿美:袖を通したときの着やすさのために袖裏は付けました。また袖裏があるのとないのとでは、見た目も変わってきます。肩から腕にかけて膨らみが出て、高級感を醸し出すんです。
小暮:一般的にジャケットは、ラペルの返りの美しさが大きなポイント。このジャケットはきれいですね。
寿美:素材に伸縮性があるので、この部分をきれいに仕上げるのが実は難しいんです。アイロンで固めるとふわっと仕上がらないですからね。生地の編み立ても、ジャケットの縫製も、欧州の一流ブランドを扱っている海外の専門工場で仕立てています。
小暮:端正な表情に仕上げられていますので、ネクタイを締めてビジネスシーンで着られますし、しかもストレスを感じない素材なので、仕事の効率も上がるのでは。
寿美:オフタイムでは旅行やゴルフなどに着ていくのも絶好だと思います。
小暮:幅広い層を対象にしていると思いますが、全体的にはスマートで細身な印象ですね。
ラペルはもちろん、後ろ中心までAMFステッチを入れ、丁寧に縫い込まれている。寿美:日本人の体形を熟知したパターンナーが型紙をつくりました。着やすさのために出す部分を出して、スマートに見せるために詰める部分を詰めて、着やすさとともに細身に見えるデザインに。実際のお客様からの要望も反映して、バージョンアップさせています。
小暮:よく見ると色がメランジュ調です。
寿美:より高級感を出すために、すべて杢糸を使っています。
小暮:それで奥行きある色合いなんですね。人気アイテムだからこそ、すべてにわたって、毎シーズン、煮詰めて、熟成させている点はジャパンブランドならでは。それにこの価格ですから、2枚、3枚と大人買いしたいジャケットだと思います。素晴らしい。
英国の神髄を着こなせるハリスツイード素材の正統派ジャケット英国のハリス地方で織られたハリスツイードを直輸入して縫製。FEATHER WEIGHTなので、張りがありながら、快適な着心地を備えた一生ものの逸品。ジャケット¥39900、セーター¥4990 (ともにDoCLASSE/ドゥクラッセ)
【商品に関するお問い合わせ先】0120−178−788
▷DoCLASSE/ドゥクラッセhttps://www.doclasse.com/fs/doclasse/c/category_men▷DoCLASSEのメンズ店舗はこちらhttps://www.doclasse.com/fs/doclasse/c/shoplist
寿美良昭(すみ・よしあき)◎1993年大阪モード学園卒業。アトリエでコレクションラインのパターン・縫製を学んだ後、国内縫製工場で企画・生産に携わる。2012年よりDoCLASSEメンズの企画、生産を担当。
小暮昌弘(こぐれ・まさひろ)◎1957年生まれ、埼玉県出身。法政大学卒業。82年、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで同誌編集長。09年よりフリーランスの編集長に。