先ごろフォーブスが開催したイベント「Closing the Tech Gap(クロージング・ザ・テック・ギャップ)」に参加したサンドバーグは、急成長を遂げる米国のスタートアップを率いる若き女性起業家3人の質問に対し、次のようなアドバイスを送った。
──複数の調査の結果、スタートアップが失敗する最大の理由は「焦点を失うこと」だとされている。チームが集中力を失わないようにするために、心掛けていることは何か?
サンドバーグ:自分たちの目標が何であるか全員が理解していたとしても、ミーティングを始めるときにはまず、何が目指しているのかを明確に述べることだ。今なぜそのことに取り組んでいるのかを改めて確認しておくことは、あなた自身とチームのメンバーたちのどちらにとっても、非常に重要だ。
メンバーがチームの掲げる目標を正当なものだと確信していれば、あなたがどれほど難しい決断を下そうと、チームを率いていくことができる。
──急成長を遂げているチームを率いるために必要な管理能力のうち、最も重要なものは何か?
サンドバーグ:ビジネスが急成長を遂げる時期について理解しておくべき最も重要な点は、あなたがこれから起きると予想していることは、思う以上にすぐに起きるということだろう。
私がグーグルでオンラインセールス部門を担当していたとき、チームのメンバーは当初、4人だった。そこで私は、「これから採用する全ての人の面接を全員に行ってもらう」と伝えた。だが、それから2週間後、メンバーはすでに12人に増えており、チームの全員が候補者全ての面接をすることは合理的ではなくなっていた。
メンバーがすぐに増えることを理解し、全員が面接することはできなくなると先に伝えておけばよかったが、私はそうしなかった。そのため、面接できなくなったメンバーたちを怒らせてしまった。ビジネスが急速に拡大しているときには、先の状況を見通し、予測して行動することが必要だ。
──リーダーとして、強く力を持った存在であることと、自分らしくあり弱さも見せることのバランスをどのように取っているのか?
サンドバーグ:私ができる最善のアドバイスは、「それについては一切考えないようにすべきだ」ということだ。その問題についてはむしろ、(ヒューストン大学教授の)ブレネー・ブラウンが唱える「自分自身であれ」ということについて考えてみるべきだろう。
あなたはただ、あなたでいることだ。私の人生においても、多くの仕事を抱えて完全に仕事に没頭できるときと、そうはできないときがあった。夫を亡くしたときには打ちのめされ、家を出てもどうしても、個人的な問題を切り離すことができなかった。
自分自身でいること。そして、あなたという人を理解してもらい、あなたは他の人たちが今、それぞれの人生においてどのような状況にあるのかに気を配ることだ。
そして、あなたはいつでも皆の良きチームメートであること。チームのメンバーがそれぞれ100%仕事に打ち込める状態でいられるように、そしてチームとしての目標を達成できるように、支援することだ。