働く母親に優しい企業 米国のトップ100社発表

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育児休暇の壁

ワーキングマザー・メディアのマネジングディレクター、シューバ・バリーによると、女性や家族志向の従業員へアピールしようとする企業が重点を置く分野の一つに、育児休暇がある。ランキング上位100社の有給出産休暇の平均は、女性が10週間、男性が4週間だった。トップ10社の間では、女性が15週間、男性が9週間だ。

「休暇を支給するのと、実際に従業員がそれを使用するかどうかは別問題だ」とバリー。従業員が有給休暇を完全に使い切らない会社が一般的で、社員は職場復帰のプレッシャーを感じたり、家族の代わりにキャリアを優先したりしている可能性がある。

子どものいる社員が育児休暇を完全に取得するためには、社員の地位が安泰であることを会社が保証し、早期復職のプレッシャーをかけないよう注意しなければならない。またバリーは、リーダーも模範例を示す必要があるとし「成功した女性が育児休暇を全て取得していれば『これは問題ないことなのだ』というメッセージを会社全体に発信できる」と述べた。

バリーによると、企業が今後さらに熱心に取り組む可能性のある育児休暇制度は、段階的復職制度だ。出産休暇終了後、女性がフルタイムと同等の給料を受けながらパートタイムで働くことが可能な制度で、同ランキング上位100社中86社、トップ10社では全社が採用している。「会社への忠誠心が揺らぐのは、この時期だ。子どものいる女性社員が辞めてしまう時期を調べると、第2子を出産した後が多い」(バリー)

新たに増加中の手当

バリーによると、企業は従業員の満足度向上のための新たなツールを開発中だ。新たに増加している手当の一つが高齢者の介護支援金制度で、トップ100社に選ばれた企業の大多数が用意している。また、学生ローン返済は多くの企業が以前から導入しているが、社員が払う利子を減らせるよう、ローンの借り換えを提供する会社も出ている。

心の健康も、企業が支援できる分野だ。精神的な健康ニーズに対応したり、補助金を出したりする制度も今後増えるだろう。「今後は制度の増加や認識の高まり、開放的な文化の普及が期待できる」とバリーは語った。

編集=遠藤宗生

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