Fundboxの創業者でCEOのEyal Shinarは企業らに、未入金の請求書を現金化するソリューションを提供しようと考えた。Shinarはイスラエルから米国に来た移民で、Battery Venturesに勤務した後、ペンシルバニア大学でMBAを取得した。
Shinarの母親は小規模な人材派遣企業を運営しているが、資金繰りがいつも悩みの種だった。サンフランシスコ本拠のFundboxは、他の業社よりも安い手数料で請求書を現金化する手段を提供する。登録した企業は最低で100ドルから融資を受けられる。同社のソフトウェアはQuickBooksやFreshBooks、 Zohoといった小規模ビジネス向けの会計ソフトと連携して使用が可能だ。
41歳のShinarはこれまで1億800万ドル(約121億円)をアマゾンのジェフ・ベゾスが運営するBezos Expeditionsやゼネラルカタリスト、コースラベンチャーズらから調達し、業績は急激に拡大中だ。Fundboxの売上は今年、5500万ドルに達する見込みだ。
「Fundboxのビジネスは既存の分野をオンラインに置き換えている訳ではない。彼らは全く新しい市場を生み出している」とコースラベンチャーズのDavid Weidenは語る。
Fundboxは2018年からB2B向けの新たなファイナンスサービスを提供する予定だ。新サービスで企業はFundboxから、請求書未と引き換えに少額の手数料を除いた金額を即座に借りられる。借り手の企業は60日以内に返済し、一桁代後半から30%代の利子を払うが、早く返せば返すほど利子は少なくて済む。
「今までなぜこういうビジネスが無かったのか不思議に思ったほどだ」とShinarは言う。
米国の企業間の決済金額は年間41兆ドルに達しているが、Shinarはこの事業を海外に展開しようと考えている。ただし、大きなリスクもある。同社の決済ネットワークの構築は非常に難しく、Shinarは時間をかけて参加企業の信頼性を評価しようとしている。Fundbox の損失発生率は現在、1%程度で毎月その確率は低下しているという。
「我々のビジネスモデルを模倣しようとする企業は多いが、今までの実績に自信を持っている。Fundboxが4年をかけてやってきたことを、即座に模倣するのは不可能だ」とShinarは述べた。