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ロボットやIoTの専門メディア「ロボティア」代表

(Photo by Mario Tama/Getty Images)

人工知能とロボットの普及・拡大に備え、超国家的団体も新たな動きを見せている。英ガーディアンは、国連がAIおよびロボットの導入による大量失業、また戦争勃発の脅威を監視する常設組織を、オランダ・ハーグにて設置・運営することにしたと報じた。

同組織の名称は「人工知能・ロボットセンター(Centre for Artificial Inteligence and Robotics)」。AIおよびロボットが人間の仕事を奪うリスクや、犯罪集団もしくは“ならず者国家”による自律ロボット兵器の展開を想定し、動向を集中的に監視していくという。なお国連は今年初め、同オフィス開設のためにオランダ政府と協定文を締結し終えているという。

国連地域間犯罪司法研究所(Interregional Crime and Justice Research Institute)に所属するIrakli Beridze戦略諮問官は、メディアの取材に答え「複数の国連組織がロボットおよび人工知能に関するプロジェクトを推進しており、自律ロボット兵器関連の専門家のグループなども活動している。しかし、それらすべての取り組みは一時的なものに過ぎない」とし、今回設立されるセンターが、常設組織という点で、従来の組織とは一線を画すと説明している。

また、Beridzeは「これから設立されるセンターは、国連の目標を実現するために貢献する」とも述べている。今後、関連業界、学術研究機関、市民社会団体、政府の関係者らを中心に、専門家ネットワークを構築することを主眼とし、国連が追求している持続可能な開発目標に新しいテクノロジーが貢献できるか否か探求していくという。そのための具体的なプロジェクトを開始する予定であり、決して構想だけでは終わらないと明言した。

今年8月には、テスラ・モータズのイーロン・マスクCEOなどAI・ロボット分野のリーダー100人余りが、兵器にAIを搭載することで“負のイノベーション”が起こる可能性があると懸念を表明した。彼らは、国連が人工知能ロボットの危険性を防ぐために行動をすべきだと主張したが、今回、それが実現する形だ。

なお、AI・ロボットによる大量失業・自律兵器強化の可能性について、日本の専門家のひとりは次のように話す。

「まず、大量失業については政治的な関与や判断が必要になるでしょう。AIは人間の強敵にもなりうるし、経済的資源にもなりうる。民間においては開発のスピードが加速していくでしょうが、分配という面ではやはり政治の問題になるかと思います。自律AIロボット兵器については、倫理的側面からの議論が不可欠。しかし、世界的にその議論が足りているとは言い難い状況があります」

自律AIロボット兵器に関して言えば、ならず者国家や犯罪集団だけではなく、米国や英国、中国、ロシアなど大国が中心となって開発を推し進めている現状がある。国連の監視や介入が、AI・ロボット技術の未来をより良き方向へと導いていくことを祈るばかりだ。

文=河鐘基

 

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