フェイスブック、有名ラッパーらも悪質広告に関与 米調査で

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フェイスブックを通じて一部の有名人たちが、怪しげなサイトにユーザーを誘導する行為が問題化している。ファクトチェックメディアの「Snopes」は先日、この問題に関するレポートを掲載した。

それによるとラッパーの50セントや俳優のマーティン・ローレンス、コメディアンのトミー・チョンらが公式フェイスブックページから不正な誘導を行っていたという。Snopesによると彼らは“domain spoofing(ドメインのなりすまし)”という手法を用い、実際のリンク先が見えないようにして、リンクを掲載。飛び先には、扇情的な見出しや画像でクリックを誘う悪質サイトが指定されていたという。このサイトはフェイスブックからリンクの禁止措置がとられていた。

Snopesは次のように解説している。「これらのリンクはフェイスブックのユーザーを、画像やタイトルのみのランディングページに誘導し、不正なサイトへのクリックを誘発する。ボタンを押すと大量のフェイクニュースを掲載する『Jellyshare.com』に飛ばされ、悪質業者が掲載するバナー広告が表示される」

これはサイトを訪問したユーザーを広告だらけのページに誘導し、不正な収入を得ようとする試みだ。利用者らは有名人のページのリンクであることから、そのサイトが信頼度の高いものであると誤解し、ついクリックしてしまうのだ。同様な行為はフェイスブック傘下のインスタグラムでも確認されている。

背景に存在するのは悪質なアドネットワーク業者だ。Snopesはその業者がWild Hairと呼ばれる企業であると伝えているが、同社は関連を否定した。しかし、Snopesが50セントにコメントを求めたところ、広報担当者は「Wild Hairとの契約は既に終了した」と回答したという。

フェイスブック上の不正広告の歴史は長く、先日も2016年の米大統領選期間中に、ロシアが背後にいるとみられる集団が世論操作の目的で不正広告を掲載していた疑惑が浮上。米議会はフェイスブックやツイッター、グーグルの幹部を招いた公聴会の開催を計画中だ。

調査企業Pointは、フェイスブック上で不正広告を掲載するのがいかに簡単であるかを動画で解説している。同社によると実際には存在しない企業名で広告を掲載し、不正な「いいね!」を集める行為も広く行われている。このような手法で、大量の問題のあるコンテンツが拡散されているという。

編集=上田裕資

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