トランプの「アメリカ・ファースト」政策が招いた真逆の結果

Photo by Alex Wong / Getty Images


こうした結果になった要因としては、アメリカとメキシコの国境に壁を建設するとのトランプの政策、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの撤退、パリ気候変動協定からの離脱、特定のイスラム多数派国からのアメリカへの入国禁止、イランとの核兵器合意の破棄の意図表明が挙げられる。

調査を通じ、政策への懸念に加えてトランプの性格も、彼がどう見られているかに影響していることが判明した。回答者の75%が、彼を「傲慢」と見ており、65%は「不寛容」、62%は「危険」としている。彼は、55%の回答者から「強いリーダー」と見られているが、彼を「大統領にふさわしい」と感じているのは、26%しかいない。

「国際問題について誰が正しいことをすると信じられるか」との質問で、4人の世界的リーダーの名前が選択肢として挙げられたのに対しては、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の得点が一番高かった(42%の回答者が信頼できるとしたのに対して、信頼できないは31%)。続いて、中国の習近平国家主席(28%対53%)とロシアのウラジミール・プーチン大統領(27%対59%)であった。トランプ大統領の得点が最も低く、22%しか信頼していないのに対して、信頼できないは74%であった。

トランプ大統領は、自らの「アメリカ・ファースト」政策によって、アメリカがより強くなり、世界中でいっそう尊敬されると信じている。しかし、ピュー調査はまったく逆の結果を示している。現在、見られるアメリカの世界における凋落が遠い将来ではなく、できるだけ早期に終わることを願うのみである。

編集=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.39 2017年10月号(2017/08/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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