これは、関心のほとんどがトランプ大統領の言動に集中し、それ以外のニュースが少ないからである。トランプ大統領は、自分の党、議会、ビジネス界、マスメディアとの関係であれ、ツイッターなどを通じたコミュニケーションであれ、ワシントンの伝統を破るとの願望においてアメリカ史上前例がない。
アメリカの外で何が起こり、また、外部の人々がアメリカをどう見ているのか─。筆者がそれを把握できるのは、自宅のあるサンフランシスコと東京にいる時、そして海外にいる時のみである。トランプを批判する人々は、彼が今年1月20日の「アメリカ・ファースト」就任演説以降、世界でのアメリカの役割が減少し、オバマ政権時と比べてアメリカに対する外国の見方が好意的でなくなっていると主張する。
ピュー・リサーチ・センターは6月26日、37カ国にわたる調査の結果を公表し、これらの批判を裏付ける証拠を示した。
同調査によれば、国際問題についてトランプが正しいことをすると信頼しているのは、平均22%にすぎない。これは、オバマ政権の終盤には、平均64%が大統領は世界の中でアメリカを正しい方向に導くと信頼を表明していたのと対照的だ。同調査では、オバマ政権の終盤には、平均64%がアメリカを好意的に見ていたことも示されていた。今日、アメリカを好意的に見ているのは、わずか49%である。
落ち込みが特に大きいのが、隣国のメキシコとカナダに加え、欧州とアジアでアメリカの最も緊密な同盟国である。調査対象37カ国のうち、トランプがオバマより高得点を得たのは、ロシアとイスラエルの2カ国だけだった。
国際問題に関して、「米大統領が正しいことをすると信じられるか」との問いに対する回答では、スウェーデンの落ち込みがマイナス83%で最大だった(オバマへの93%に対してトランプは10%)。
いくつかの主要国での落ち込みは、ドイツ─75%、韓国─71%、フランス─70%、カナダ─61%、イギリス─57%、オーストラリア─55%、日本─54%、メキシコ─44%、トルコ─34%、フィリピン─25%、インド─18%、ベトナム─13%である。対照的に、イスラエルは7%の上昇(49%から56%)を示し、ロシアは42%(11%から53%)という最大の上昇を示した。