マッチングから疑似恋愛まで、「AIx恋愛」の未来

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恋愛におけるAI活用の3つ目の用途としては「カップリング」、もしくは「マッチング」がある。自分に最適な相手を、人工知能が推薦したり、選んでくれるというものだ。

恋活・婚活マッチングサービス「メグリー」は、提供しているアプリに「業界初でAIを取り入れた」と大々的に宣伝している。精度や結果が報告された例が見当たらないので、AIがどれほど恋愛マッチングに成果を発揮しているかは定かではないが、こちらも非常に気になるニュースだ。なお恋愛の成否は、匂いや声などテキストデータでは測れない要因にも影響される。そう考えると、AIはしばらく「マッチング支援」の地位にとどまるとの推測もできる。

恋愛×AIに何を望む!? 韓国のアンケート事例

お隣りの韓国では大手紙「朝鮮日報」が、「人工知能と恋愛」に関する詳細なアンケート調査(20~30代男女・394人対象)を実施している。興味深いので、その概要を最後にまとめてみたい。

まずアンケートでは、「人工知能が恋愛における役割や労力を代替できると思うか」という設問がなされた。これに対し男性は57.1%が、女性は32%が「代替できる」と答えたという。続いて「代替ができると思う恋愛の領域は?」という質問に対しては、「スキンシップ(コミュニケーション)」が41.9%ともっとも多く、次いで「プレゼントやイベントの準備」が36%となった。2つで全体の約8割を占める結果だ。

韓国では、恋愛における相手とコミュニケーションやサプライズの準備において、時間的もしくは精神的な負担を感じている人々が多いのだろうか。そうなると、もはや恋愛と呼べないような気もするが……いずれにせよ「恋愛の自動化」を望む意見が潜在的に多い結果となった。

次いでアンケートの回答として多かったのが、「恋愛相談」(16%)だった。前述したAI恋愛カウンセラーの存在は、海外においても望む声が多いようだ。なお回答のなかには「人工知能を恋愛相手にしたい」(5.6%)、「結婚相手にしたい」(0.5%)などといった、疑似恋愛としての用途も少数派ながらあった。

以上のようにAIを利用した恋愛に関するサービスをいくつか見てきたが、パートナーとのやりとり(メールやチャットなど)を引き受けてくれたり、デートプランを考えてくれるAIというのはまだ登場してきていない。今後、どんな恋愛×AIサービスが登場し、関連市場を牽引していくのだろうか。圧倒的な先行強者がいない分野だけに、サービスとして伸びていく余地は多く残されているはずだ。

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編集=出水鴻正

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