「新しもの好き」の上司に振り回されない方法とは

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高度なサポート職(リサーチアナリストや役員補佐など)に就く人々を対象としたワークショップの参加者の一人に、プロジェクトを始めては止める上司に困っていた人がいた。多くの人が共感してうなずいていたことから、新しい技術やアイデアにすぐ飛びつく「きらきらしたもの症候群」がまん延していることは明らかだった。

私は、さまざまな会社がそれぞれの理由で新しい取り組みに熱を上げる様子を目にしてきた。急成長期を迎えポジティブな変化に遅れを取るまいとしたり、あるいは転換期を迎えてわが身を救う方法を次から次へと試したりするような状況だ。

理由は何であれ、注力する業務内容や担当プロジェクトが毎週変わるようでは、時間管理と生産性が損なわれてしまう。人はタスクを切り替えるごとに、集中力に負荷がかかる。しまいには、何も達成できていないように感じ始めるだろう。スケジュール作りも困難になる。会社の優先事項が分からないので、キャリア計画を立てることも難しい。

職場での変化は、財務的コストを伴う。米クロノス(Kronos)傘下のシンクタンク、ワークフォース・インスティテュート(Workforce Institute)と米人材コンサルティング・調査会社フューチャー・ワークプレイス(Future Workplace)が新たに行った調査によると、当局による労働関連規則の新規制定や変更があると、企業には4万~10万ドル(約450万~1130万円)の費用が生じるという。

これは、新規イニシアチブの開始がいかに高コストになり得るかを示している。では、イニシアチブの開始・中止を繰り返す企業文化が根付いていたら、どうなるだろう?

会社の上層部が優先事項を変え続けたり、直属の上司が次々と異なるプロジェクトにあなたを配属させたりするような状況で、それに対応しながらも精神を正常に保つ3つの方法を、以下に紹介しよう。

深入りせずにスピードを優先する

あなたはアイデアを先に進める前に徹底的な調査をしたいタイプかもしれないが、上司は違ったペースを持っているかもしれない。プロジェクトが次々と降ってくる環境にいる場合は、そのペースを受け入れ、自分のペースをそれに合わせるようにしよう。

プロジェクトの期間が2日しかない場合は、2週間や2か月ある場合とは異なる取り組み方が必要だ。例えば、ある問題を調査するように言われた場合、パワーポイントのスライドに調査結果をまとめるよりは、主な3点のみをリスト化する。そして、自分の方向性が間違っていないことを上司と確認し、深掘りを求められた場合は詳細な調査へと進もう。
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編集=遠藤宗生

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