トヨタが自動運転で提携のスタートアップ「Luminar」を率いる22歳

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現在22歳のオースティン・ラッセルが立ち上げたLiDARメーカーの「Luminar Technologies(以下、Luminar)」はトヨタの研究部門と提携し、自動運転テクノロジーの開発を行っている。

Luminarはシリコンバレーのポートラバレーに拠点を構え、トヨタ・リサーチ・インスティチュート(TRI)と共同で、レクサスに搭載したLiDAR センサーのテストを行っている。TRIのJames Kuffner はフォーブスの取材に「今後、全米のトヨタのR&D 拠点でテストを行う計画だ」と述べた。

KuffnerはTRIに参加する前はグーグルのロボティクス部門を率いていた。「我々がテスト中のLiDARセンサーはこの分野で最も先進的な製品と呼べる。Luminarのプロダクトは解像度や測定可能範囲の面で、他社のプロダクトを大幅に上回る」

人間の視覚の役割を果たすLiDARセンサーは自動運転において必須のデバイスだ。LiDARは道路状況や歩行者の有無等を把握し、必要に応じてドライバーに警告を発する。まだ初期段階にあるこの分野には各社が様々な製品を投入している。

この分野の老舗と呼べるのはベロダイン(Velodyne)だが、他にもQuanergyやInnoviz 、LeddarTech、AEyeやOryx Vision といった企業がしのぎを削っている。

Luminarはこの分野の新興企業だが、若きCEOのラッセルは自社の技術に自信を持っている。

「我が社の製品の測定距離は200メートルと、一般的な製品の35メートルを大幅に上回る。道路上のタイヤなどの光の反射率の低いオブジェクトも探知できる。解像度も他社製品と比較すると格段に高い」

ラッセルは、スタンフォード大学で応用物理学を専攻していた2013年に、著名投資家のピーター・ティールから10万ドルの奨学金を獲得した。Luminarはこれまで累計3600万ドル(約40億円)の資金調達を行い、約250名をシリコンバレーとフロリダに開設予定の工場向けに採用している。

年内には本格的に製造を開始し、1万台の初期バージョンのプロダクトを送り出す計画だ。その後、改良を重ねたLiDARセンサーの増産にあたる。

TRIのKuffnerは今後トヨタが購入を予定する製品の台数について明確な回答は避けたが、次のように述べている。

「トヨタはブレークルスルーを生み出す製品を常に探し求めており、Luminarとの取り組みでイノベーションを加速させていく。我々は最高のハードと最高のソフトで、次世代のモビリティ分野を切り拓いていく」

編集=上田裕資

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