米IVPが15億ドルの「ビットコイン企業ファンド」を創設

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今年8月、ビットコイン分野で初のユニコーンとなったのが「コインベース(Coinbase)」だ。同社は企業価値16億ドル(約1750億円)で1億ドルのシリーズD資金調達を実施した。コインベースの調達をリードしたベンチャーキャピタルのIVP(Institutional Venture Partners)は暗号通貨分野にさらに注力していく構えだ。

「この分野の状況はゴールドラッシュに例えられる。JPモルガンのジェイミー・ダイモンは現実を理解していない」とIVPのゼネラルパートナーのTodd Chaffeeは言う。先日、ジェイミー・ダイモンは「ビットコインは詐欺であり崩壊する」と述べたが、Chaffeeはこの発言を真っ向から否定する。

「ビットコイン分野ではリアルなイノベーションが起きている。業界は成長しており新たな資金も必要だ」

創業37年のIVPは15億ドル(約1685億円)のファンドを立ち上げ、1社あたり4000万ドルから5000万ドルの出資を行うという。IVPはこれまでドロップボックスやSlack、DomoやThe Honest Companyといった20社以上のユニコーンに出資を行ってきた。同社がシリーズBを主導したスナップは今年3月にIPOを果たし、シリーズDを主導したAppDynamicshは今年1月に37億ドルでシスコに買収された。

ビットコイン分野で出資対象とするのは、既に2回以上の調達を行った企業になるという。この分野には多大な資金が注がれているが、Chaffeeによるとここ数ヶ月で以前よりも財政面が健全で今後の成長が期待できる企業が増加しているという。

「数年前は手を出すのが早すぎたと感じたこともあったが、状況は変わった」とChaffeeは言う。

ここ最近ではソフトバンクがSlackに約2億5000万ドルを出資するなど、上場が期待されていた企業がIPOよりも巨額の資金調達を選ぶケースも増えているが、IVPとしても出資先企業にIPOを急がせるつもりはないという。

「優れた企業は環境に応じて最適なスタイルで成長してく。投資家たちはもっとアグレッシブな動きをとってもいいはずだ」とChaffeeは続けた。

編集=上田裕資

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