部下との難しい話し合いを成功に導く4つのコツ

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マネジャーにとって、従業員との気まずい話し合いは悩みのタネだ。こうした話し合いが好きだという人もいるが、ごく少数派だ。

こうした話し合いの内容の例としては、仕事のパフォーマンスや報酬、素行、誠意の問題、協働姿勢など、仕事関連の問題を生むようなことが200個は挙げられるだろう。問題が尽きることはない。

私は正直なところ、こうした話し合いを楽しんだことが全くないが、マネジメントの役割には欠かせないことは認識している。ここでは、難しい話し合いを建設的に進めるための4つのコツを紹介する。

1. 準備に準備を重ねること

一つの現実について異なる解釈が交差する白熱した議論になってから、自分は万全の準備ができていないことに気づいても、時すでに遅しだ。例えば、従業員のパフォーマンスについて話し合うとしよう(常に感情的になる話題だ)。その際には持論だけではなく、データや情報を用意して、それをきちんと理解しておくべきだ。私のマネジメント経験では、難しい話し合いの結果に満足したときは必ず、事前準備をしっかり行っていた。

2. どんなにひどい発言を受けても冷静に

先述の「白熱した」議論に関連するが、少なくともあなたの方は熱くなり過ぎないようにしよう。従業員は、その場の勢いで非常に厳しいことを言ってしまうこともある。念入りな事前準備を決意したように、冷静さを保つ決意もしておこう。

管理職のあなたは否が応でも、この話し合いで大人になるべき側なのだ。慎重に準備をすれば、知識を武器に対応し、感情的ではなく理性的になれるはずだ。

管理職も怒りや不満を見せて構わない。ただし、制御しながら行うこと。理性を失えば、道徳的な権威のある立場を即座に失ってしまう。

3. 本当に伝えにくいことを隠さない

気まずい話し合いがうまく進んでいるからといって、最も波風が立ちそうなことから話をそらしてはいけない。衝突を避けるのは自然なことだが、その流れにのまれないこと。

管理職側では、今日対処すべきことを明日まで引き延ばしてしまうことはいとも簡単だ。そのため、次に紹介する最後のポイントを指針としておくと良い。

4. 話し合いで達成したい成果へと会話を導く

この話し合いでは具体的に何を達成したいのだろうか? 警告したいのか、開発計画を立てたいのか。ある特定の振る舞いをこれ以上許容できないということに、口頭で理解を得たいのか。パフォーマンスが改善しなければどうなるのかを明確に認識してほしいのか──。

話し合いを始める前に必ず、対話を通じて何を達成したいかを慎重に考慮し、決めておくべきだ。これは、話し合いの方向性を導く指針となる。


最初に述べたように、こうした会話は楽しいものではない。つらい話し合いには、駆け引きや自己管理、きっぱりとした姿勢が必要となる。

こうした話し合いは予測不能で、感情が高まるとどのような状況に発展するか分からないものの、万全の準備をして冷静さと明確さを維持すれば、必ず良い結果につながるはずだ。

編集=遠藤宗生

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