英フード宅配「Deliveroo」が430億円調達 企業価値は2千億円を突破

(Photo by Dan Kitwood/Getty Images)


懸念は当局の規制の強化

調達資金をもとにDeliverooは配達専用のキッチンを拡大する。「現状で配達用キッチンはロンドンに21ヶ所あるが、今後新たに49ヶ所を増設する」と広報担当者は述べた。Deliverooのキッチンではレストランが雇用したスタッフが調理を行う。レストラン側は店舗コストの負担無しで新たな地域に進出できる。

Deliverooは2016年時点でわずか0.7%の利益率しか達成できていないが、今後は収益の改善が見込めるとMignotは述べる。「投資家らは利益率ばかりに気をとられているが、大事なのは投資効率だ」

ただし、Deliveroo のビジネスモデルには疑念の声もあがる。Mangrove Capital PartnersのMark Tluszczは彼らの事業はあまりにも利幅が低く、持続が困難だと指摘する。

英国の行政当局はDeliverooの雇用条件に対する監視の目を強め、休業補償等のベネフィットを配達員に与えることを求めている。法規制が強まれば莫大なコスト増に直面することになる。

また、彼らが計画するキッチンの拡大戦略とテクノロジーを活用した配達効率の改善が、果たして本当に利益を生み出せるのかという疑問もある。

ウーバーにロンドンでの営業停止が宣告された今、欧州各地でオンデマンド系サービスへの監視の目が強まっている。「食事の出前サービスはウーバーよりもずっと規制の影響を受けやすい。未来は不確かだ」とTluszczは述べた。

編集=上田裕資

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