ビジネス

2017.09.28

注文をまちがえる料理店、世界に広がるか「てへぺろ」の輪

「注文をまちがえる料理店」スタッフの集合写真


「注文をまちがえる料理店」を3日間やってみて、本当に多くの発見がありましたし、やっぱりやってよかったと思いました。その中で、個人的に特によかったなぁと思ったことがあります。それは、3日目に取材に来てくれたメディアの方々を見たときのことでした。その日来てくれていたのは、アルジャジーラ(中東)、ニューヨークタイムズ(米)、CCTV(中国)、KBS(韓国)でした。国も思想も超えて、世界の様々なメディアが注目してくれている。そのことに僕は素直に感動しちゃったのです。

「なんで取材に来てくれたんですか?」と聞くと、「前回のプレの写真を見て、認知症を抱える人があんなに素晴らしい笑顔を見せる理由が知りたかった」とか「認知症の人たちと共に暮らす一つの方法として、とてもユーモアがあって興味を持った」などと答えてくれました。

僕は彼らと話していて、「Warm Japan」っていう考え方ってありなのかな? と思うようになりました。「Cool Japan」ももちろん大事だと思うのですが、これから先は「日本ってなんだかあったかいよね」「なんだかほっこり心地いいよね」って思ってもらえることが、大きな価値につながるんじゃないかなと思い始めたのです。

そして、急にぶっとんだ話になるかもしれませんが、僕は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、一つの目標ができた気がしました。

例えば、選手村の横や街中に「注文をまちがえる料理店」があったら面白いかもな……とか。それだけじゃなくって、老いや障害やマイノリティに触れるエンターテイメントなテーマパークができてもいいよな……とか。あ、すいません。やっぱりぶっ飛びすぎかもしれないです。今、この原稿を書いているのが夜中の2時なので、深夜ハイになっているせいだと思います。ごめんなさい。

まずは一歩、一歩。「注文をまちがえる料理店」のロゴが象徴している“てへぺろ”の輪を少しずつ広げていくことから始めようと思います。今回、クラウドファンディングなどでつながったたくさんの仲間とともに、実行委員のメンバーみんなで考え抜いた「型」を活かしながら、ぼちぼちとやっていきます。


今回のオープンに向けて制作した「注文をまちがえる料理店」ロゴ入りの食器たち

自分の地域でもやってみたい! と本気で思ってくださる方は、ぜひ「注文をまちがえる料理店」の公式フェイスブックにメッセージを送ってください。僕たちもボランティアベースで活動していますので、いきなりすべての声にお応えできるわけではありませんが、時間と労力をかけてじっくりお話し合いをさせていただき、「やれそうですね!」となれば今回集まった資金で作らせて頂いたお皿やエプロン、その他さまざまなグッズの貸し出しなども可能です。

と言ってみましたが、今は少しだけ休みたい……というのが本音なのでお手柔らかにお願いします(てへぺろっ)!

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過去記事はこちら>>

文=小国 士朗 写真=森嶋夕貴(D-CORD)

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