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高野:そもそも、投資信託は、顧客が購入してから運用会社が運用するものです。その意味では、金融商品ではなく、金融サービスとも言えます。にもかかわらず、販売会社が金融商品として販売する際に手数料を取っています。この点に疑問を感じますが、こうした手数料のあり方に関してはいかがですか。

:手数料については、多いか少ないかではなく、合理的に説明できるかどうかが重要です。中には、慣例的に徴収されている手数料もあります。3月にまとめた「顧客本位の業務運営に関する原則」では、金融機関に対し、具体的にどのような業務の対価として手数料を求めているのかを明示するよう求めています。

重要なのは、顧客がきちんと商品性を理解した上で購入しているかどうかです。例えばシンプルな商品ならシンプルな説明で済ませてもかまいません。金融機関自身がメリハリをつけ、それぞれコスト削減につなげていくべきです。

高野:金融機関は今まで、「金融対非金融」と言われるように、他の産業分野に比べて特別扱いをされてきた面があります。しかし今後は、「金融の非金融化」あるいは「非金融の金融化」といった動きも出てくるのではないでしょうか。

:まったく同感です。今までお金や資本を再配分することが金融機関の役割や機能の一つでしたが、その役割や機能が徐々に希少なものではなくなってきています。ですから、今後は例えばコンサルティングやアドバイスといった顧客の状況やニーズに合わせたサービスの価値がより一層高まっていくのではないでしょうか。

高野:日本の金融機関は、不良債権処理への対応に追われて保守的な姿勢を取っていたことで、リーマン・ショックの被害が欧米の主要金融機関に比べて比較的少なかったのだと思います。ところが一方では、国際競争力も落ちてしまったような気がします。この点については、どうお考えですか。

:伝統的な金融業務が変わり、特に大手金融機関は今後、海外業務の比重がより一層高まっていくでしょう。最近10年間だけでも金融機関の収益のドライバー(原動力)が大きく変わりました。

今後10年間は、変化のスピードももっと速くなると考えています。従来のように、不特定多数の顧客を相手にした商品を作って、それぞれの顧客の置かれた状況や特性に関係なく販売するビジネスモデルが持続する可能性は低いのではないでしょうか。フィンテックのような新しい技術やビジネスモデルに取って代わられることになってしまいます。

フィンテックは、金融のあり方を大きく変える可能性があります。ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授は「テクノロジーはニュートラルなコンセプトだ」と指摘しています。

われわれ行政の目的は、国民の福祉や経済の成長ですから、新しいテクノロジーも、国民の福祉や経済の成長にプラスになるように活用されることが重要です。


森信親(もり のぶちか)◎金融庁長官。1957年、東京都生まれ。1980年東京大学教養学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。金融庁監督局総務課長、総括審議官、検査局長、監督局長などを経て2015年7月より現職。通常、中央官庁のトップの任期は1年、2年務めるとよほどの大物官僚と言われるなか、異例の3年目の続投が決まった。

高野真(たかの まこと)◎Forbes JAPAN編集長。1987年早稲田大学大学院理工学研究科卒業、大和証券入社。97年ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント入社。2001年ピムコジャパンリミテッド入社、02年取締役社長就任。14年より現職。日本再建イニシアティブ理事、D4Vファウンダー兼CEO、ヒューマン・ライツ・ウォッチ国際理事他役職多数。

文=池田正史 写真=ヤン・ブース

 

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