山田孝之はなぜ、「俳優以外」のことに挑戦するのか?

「FORIEDGE」CEOの山口友敬、CEO・CCOの山田孝之

「FORIEDGE」CEOの山口友敬、CEO・CCOの山田孝之

「何がやりたいのかって言われると難しいんですけど……(笑)。単純になんか面白いことを考えて、それを形にするのが好きなんですよね」
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俳優志望者を支援するプラットフォームの運営協力、トランスコスモスと共同でライブコマースサイト運営会社の設立および取締役CIO(チーフ・イノベーション・オフィサー)への就任。 “俳優”の枠を超え、幅広く活動している、山田孝之。

俳優業にとどまらず、なぜ、様々なことに挑戦するのか。その理由について彼に尋ねると、冒頭のように述べ、さらにこう続けた。

「この前、目黒のこじんまりとした居酒屋で飲んでたときの話なんですけど、隣に座っていた大手保険会社の営業マンを見て、自然と『何かコラボレーションできないかな』ってアイデアを考え始めちゃうんですよね。これがすごく楽しい」
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そんな飲み屋で考えるアイデアが形となり、世の中に公開された。2017年8月24日、山田孝之は腕時計ブランド「BRILLAMICO」の元社長である山口友敬と共同でFORIEDGE(フォリエッジ)を設立。同日、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で“傾奇者PROJECT”を始動し、第1弾プロジェクトとして、江戸ガラス製のグラスをプロデュースすることを発表した。

感性を言語化できる」という強み

「宝石をカッティングした後に生まれる残りカスをどうにかしたいけど、勿体なくてどうにもできない。そんな話を昨年頃、友人から聞き、何か良い方法はないかな、と。そんなとき、共通の友人の紹介で山口さんと出会ったんです」

山口は2015年に腕時計ブランド「BRILLAMICO」を立ち上げ、発売から1年で1億円を超える利益を創出。そのタイミングで会社を売却し、次の挑戦を考えているところだった。

「山口さんが身につけている腕時計を見たら、すごいキラキラしていて(笑)。これは何かできるんじゃないかと思い、頭の中にある考えを話してみることにしました」

そんな山田の話を聞き、山口は共同で会社を立ち上げ、プロジェクト化することを決意する。その決断に至った理由を、こう振り返った。



「僕自身、漠然と『ガラスで何かやりたい』という考えがあったのもそうですが、話を聞いてみて、山田さんはすごく経営者脳を持っていて感性を言語化するのがうまかった。そこに刺激を受けました。この人とだったら、一緒にやりたいと思えたんです」

そこから、2人の間で「あれはどう?」「これはどう?」と何度も議論を重ね、決まったアイデアが「宝石の残りカスが散りばめられたガラス」だった。しかし、すべてがとんとん拍子で進むわけもなく……。

山口は「工場探しからスタートし、電話をかけては断られて……。その繰り返しの中、ようやく協力してくれる工場が見つかり、商品の説明をしてみたのですが、『そのアイデアは無理だ』と。いま考えれば当たり前なんですけど、そもそもガラスと宝石の融点が違う。けっこう時間がかかりそうだったので、違うものから始めることにしたんです」と語り、再度、アイデアを練り直すことに。その過程で生まれたのが、江戸ガラスを使った製品開発だった。2人は製品化に向けて奔走する。
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編集=新國翔大 写真=小田駿一

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