山田孝之はなぜ、「俳優以外」のことに挑戦するのか?


バーでお酒を飲みながら、山田が「こういうものを作りたい」「こういう風にしたい」と言い、山口がそれを工場の職人に伝え、形にしていく。途中、何度か職人側から、「それはできない」と言われる場面もあったという。

ただし、山田は「相手も職人なので、多少、無茶なことを言った方が燃えるんじゃないかという思いもあり、こだわる部分はこだわりました」と語り、グラスの土台に関してはいくつかパターンをつくってもらい、なるべく平で広くなるように工夫したそうだ。

同様に山口も「江戸ガラスをいかに日常的に使用できるか。デザインはすごくこだわりました」と語り、開発の目処がたった2017年8月、「Makuake」でプロジェクトがスタートした。

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江戸ガラスを使ったグラスは9月26日〜10月31日まで、伊勢丹新宿本店2階 Makuakeプロジェクト常設スペースに展示される。

興味を持ったことはなんでもやりたい

俳優業と経営者。なぜ、山田孝之は二足のわらじを履き、複数の領域で挑戦を続けているのだろうか。

「僕の中では俳優業も会社の経営も同じものだと思っていて。俳優はオファーをもらったら役作りをした後、現場で芝居をして、最終的に世の中に公開して反応を得る。今回の製品開発も流れは一緒。だから、違うことをやっている感覚はあまりないんです」

また、山田はこう続ける。

「『本業はこれだ』と決めつける必要は全くなくて。やりたいと思ったことは何でも挑戦してみればいいと思う。例えば、ドイツ代表の元サッカー選手、オリバー・カーンはキーパーとして活躍する傍ら、株式売買に詳しく投資活動を積極的に行っていたみたいなんです。日本だと『株なんかやらずに練習しろ』と言われそうですが、僕は純粋に素晴らしいな、と思いました。できることがあるなら、制限かけずに全部やればいいんですよ」

誰もがやりたいことに挑戦できるように──そうした山田の思いもあって、今回、自分のアイデアを形にできるクラウドファンディングサイト「Makuake」が活用されている。

「初めての挑戦は基本的にうまくいかないもの。それにもかかわらず、失敗を恐れて一歩を踏み出せない人が多い。僕がクラウドファンディングを活用することで、挑戦するためのひとつの手段としてクラウドファンディングを広めていきたいですし、挑戦のハードルを少しでも低くすることができれば、と思っています」と山田は語る。

今後、FORIEDGEは日常にはない「違和感」を軸に、さまざまな商品の開発を行っていく予定だという。

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編集=新國翔大 写真=小田駿一

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