ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座


シャンパーニュ地方の伝統的な圧搾機(2017年9月撮影)

4. シャンパンは手間ひまかけたワイン

シャンパンは通常のスティル・ワインよりも、リリースまでに時間がかかる。

なぜなら、シャンパンは、ベースとなるワインを作ったあと、ワインを瓶詰めして、瓶の中で2度目の発酵を促し、その際に発生する二酸化炭素をワインの中に閉じ込めることにより、泡を作るからだ(瓶内二次発酵)。

そして、発酵で使われた酵母の澱とともに、最低でも、NVシャンパンで15ヶ月、Vintageシャンパンの場合は3年間の熟成期間が義務付けられている。実際には、高品質のシャンパンは、この法定熟成期間よりも、長く熟成させることがほとんど。大手メゾンの「プレスティージュ・キュヴェ」の場合、だいたい、6〜10年間の熟成期間を経ている。この熟成の間に、パンやブリオッシュ、酵母の香り・味わいが加わり、複雑性が増す。

5. 最後に糖分を加えて、甘辛度を調整する

シャンパンのベースワインは、シャープな酸味に加えて、柑橘や林檎といったフルーツの香り・味わいが特徴。このままだと、少し酸味が強すぎて、飲みにくいのも事実。そのため、バランスを取るために、通常、「ドサージュ」という過程で、糖分(リキュール)が加えられる。糖分の量は、最終的な商品のスタイルによるが、大手メゾンのスタンダードなシャンパンだと、1リットルあたり9グラム程度が加えられる。この糖分、シャープな酸味と相殺され、バランスが取れているため、実際には甘さをあまり感じず、意外と気付かなかったりする。

ちなみに、「Brut」(辛口)という表示の場合、ドサージュ量は、1リットルあたり12グラムまで。他にも、糖分の量により「Extra Brut」(極辛口)、「Demi-Sec」(半甘口)などの分類があり、ラベルに表記されるので、購入時の目安となる。

最近では、このドサージュ(糖分の追加)を全くしない、「Dosage Zero」や「Brut Nature」という表記のシャンパンも増えている。酸味をきつく感じるものもあるが、しっかり熟したブドウで、醸造の段階から念入りに作られた場合は、ドサージュがなくとも、その果実味とうまくバランスしながら、非常にドライな味わいが楽しめるシャンパンとなる。

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島 悠里

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