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2017.09.25

1位コマツ、2位ユニ・チャーム 「社長力」ランキング2017

(左から)2位. 高原豪久/ユニ・チャーム 1位. 大橋徹二/コマツ 3位. 河合利樹/東京エレクトロン

これからの日本に必要な経営者像を映し出す──。今回の「CEOランキング2017」で重視したのは、「企業の長期的価値への貢献」というリーダー像だ。

フォーブスジャパン編集部は「日本を動かす経営者」を数多く生み出すという方針のもと、企業のIR活動を総合的に支援しているフィスコIRの協力を仰ぎ、「社長力」を点数化し、上位100人を選出した。

「社長力」は、市場との対話を通じ、実態としての企業価値を持続的に増大させていくことにより評価される。企業価値を持続的に増大させるためには、将来にわたるキャッシュ創出が適正に評価され、その評価に基づいて再投資が行われるというサイクルを円滑に回転させることが必要である。なかでも、投資家(をはじめとしたステークホルダー)との対話力が、適正な株価形成を促進し、市場におけるフェアバリューを実現するために欠かせないと判断した。

この市場との対話力を、開示情報をもとに評価。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が注目されるなか、ESGパフォーマンスの評価項目を昨年より充実させることで、より精緻に社長力を評価した(詳細な選定方法は画像2枚目を参照)。

以下、上位10位の社長たちの成績表を一挙公開する。

【関連記事】11位〜100位のランキングはこちら>>

1位 大橋徹二 / コマツ

総合点 96.7
ギャップ 3.4
財務パフォーマンス To Be(適正水準)24.5 As Is(現状水準)23.3
ESGパフォーマンス To Be(適正水準)27.5 As Is(現状水準)25.8

──直近の業績
2017年3月期連結決算売上高は、1兆8029億円(前期比2.8%減)。営業利益は1740億円(16.5%減)、純利益は1133億円(17.5%減)となった。18年3月期予想の純利益は920億円(18.9%減)となる見通し。

──なぜ評価されたのか?
コマツは、油圧ショベルなど建設機械の国内トップ、世界でも第2位。米国鉱山機械メーカーの買収といった積極的な経営姿勢により、時価総額が過去5年で倍増している。2017年3月期は外部環境の悪化を受けて苦戦したが、こうした外部環境の変化を乗り越えられる経営力を備えている。例えば、製品の「安全性」や「環境対応」を大幅に改善していることで、企業の成長と社会への貢献をともに実現している事例が、コマツレポートなどを通じて適切に開示されている点が評価に値する。

2位 高原豪久 / ユニ・チャーム

総合点 95.1
ギャップ 5.0
財務パフォーマンス To Be(適正水準)26.5 As Is(現状水準)27.4
ESGパフォーマンス To Be(適正水準)33.0 As Is(現状水準)29.0

──直近の業績
2016年12月期連結決算売上高は、7109億円(前期比3.8%減)。営業利益は782億円(2.1%減)、純利益は441億円(8.9%増)となった。17年12月期予想の純利益は490億円(4.3%増)となる見通し。

──なぜ評価されたのか?
衛生用品の大手メーカーであり、ベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア関連製品でアジア1位のシェアをもち、海外売上比率は6割を超える、競争優位性の高いグローバル企業。先進国および新興国の社会課題解決に資する事業を世界80カ国以上で展開し、確固たる市場シェアを確立しており、社会的な貢献度は極めて高い。また、イノベーションを通じ、事業環境の変化に応じて自らのビジネスを柔軟に進化させており、変化に対応した事業展開の持続が今後も期待できる。
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文=フォーブスジャパン編集部 イラストレーション=ジョエル・キンメル

この記事は 「Forbes JAPAN No.40 2017年11月号(2017/09/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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