大麻の主な使用目的は「睡眠促進」、米一部地域で意外な調査結果

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大麻には、「パーティー好きの人たちが集まり常習的に乱用している」というイメージが付きまとう。だが、先ごろ発表された調査結果が信頼できる指標になるものだとすれば、使用者の多くはそうした一般的な世間の見方とは異なり、ただ「眠りたい」だけなのかもしれない。

米コロラド州デンバーを中心とするデンバー都市圏と隣接するネブラスカ、ワイオミング両州の一部地域に住む大麻使用者1258人を対象に行った調査結果によると、使用の主な目的は「睡眠の促進」と「痛みの緩和」だった。

大麻を専門とする市場調査会社、コンシューマー・リサーチ・アラウンド・カナビスによれば、回答者のうち、睡眠促進のために大麻を購入したと答えた人は47.2%に上っている。不眠症の治療を目的に大麻を使用する人は非常に多く、大麻関連の情報を提供する「リーフリー(Leafly)」や「ハローMD(HelloMD)」といったウェブサイトでも、最も多い使用の目的として挙げられている。

睡眠に問題を抱える多くの人たちが、市販の睡眠薬の服用に伴う起床時の倦怠感を嫌い、大麻の使用を好むという。また、処方薬の「アンビエン」や「 ルネスタ」といった睡眠薬に含まれる中毒性のある成分も、大麻には含まれていない。

一方、同様に回答者の47.2%が使用の目的としたのが、「慢性または繰り返す痛みの緩和」だった。また、45.7%は「うつ病や不安症の症状の軽減」と答えている。

「友人や家族と楽しい時間を過ごすため」に大麻を使用すると答えた人は、28.5%に過ぎなかった。そのほか32.8%が、「創造性や感覚を高める」ために使用していた。

もう一つの誤解

映画などで描かれる大麻常用者のもう一つのイメージは、フルタイムの仕事に就きたくても就けない「不完全雇用の人」だ。だが、今回の調査結果では、使用者の大半はフルタイムで働いており、共働き世帯の人たちでもあることが分かった。

使用者の50%近くは家計の状況を楽観視しており、「半年後の生活は今より良くなっていると思う」と答えた。また、個人退職年金や企業年金に加入している人は42%に上った。

株取引を行っている人は18%、保有する流動資産が10万ドル(約1110万円)を超える人は19%だった。デンバー都市圏の大麻使用者の半数以上は世帯収入が5万ドルを超えており、その点を考慮すれば、こうした結果も驚くべきものではないといえる。

編集=木内涼子

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