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2017.09.22 17:10

バフェットから全ての投資家へのアドバイス、究極の投資先は「自分」

(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

自分が本当に興味を持てるもの、つまり「投資」に7~8歳のころに出会うことができた私(ウォーレン・バフェット)は、幸運だった──。

地元であるネブラスカ州オマハの公立図書館に置いてあった投資関連の本は、11歳になるころまでに読破した。中には繰り返し読んだ本もあった。また、父がたまたま投資業務に携わっていたことから、土曜日に父と外で昼食を取るときや、ほかにも機会があるときにはいつでも、父の職場から読みたい本を借りることができた。

私の投資生活に最大の影響を与えた本に巡り合い、購入したのはネブラスカ大学に在学中のことだった。ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」だ。私はこの本を読み、また読み、6回くらいは読んだだろう。非常に堅実な理念が記されている。私はこの本から、今も役立てている投資哲学を学んだ。

投資における戦略は、優れたビジネス、なぜ優れているかが理解できるビジネスを探し出すことだ。優れているのは、持続性と競争上の優位性があり、有能で誠実な人たちによって経営されている企業、株価が妥当な水準にある企業だ。

なぜそう考えるかといえば、企業の株は「売るために買う」ものではないからだ。来月や来期は利益が増える、というだけの企業は、投資の対象ではない。今から10年、20年、そして30年後に、より多くの利益を得ているだろう企業に投資をしたいのだ。そのため、素晴らしい、信頼できる、と思える経営陣が率いる企業を見つけ出したい。

また、ベンジャミン・フランクリンは遠い昔、「店を守れば、店が守ってくれる」と述べた。これは、顧客を満足させるだけで終わってはいけない、喜ばせなければならない、という意味だ。喜んだ顧客らは店のことを他の人たちに話す。そして、また店を訪れる。顧客を幸せにしている企業には、有望な将来が待っているだろう。

究極の投資先は「自分」

だが、最終的にその他のどのような投資にも勝る投資は、自分自身への投資だ。何であれ、自分の弱点だと思う部分の改善に取り組む必要がある。そして、それは今すぐ始めるべきことだ。

若いころ、私は大勢の人の前で話すことが怖くてたまらず、大の苦手だった。そこで、100ドルの受講料がかかったが、デール・カーネギーのトレーニングコースに通うことにした。この経験は、私の人生を変えた。

新たに身に付けた能力に大いに自信を持った私は、コースが修了しないうちに妻にプロポーズした。また、まだ21歳で見た目はさらに幼かった私が地元で株を売る仕事をするにあたり、このコースを受講したことは大いに役立った。

あなたが自分自身に中に持っているものを、誰も奪い取ることはできない。そして誰にでも、まだ使うことができていない潜在力がある。能力をつけることによってあなたが10%、20%、あるいは30%高めた潜在力は、課税されてなくなることも、インフレによって失われることもない。生きている限り、持ち続けることができる。

翻訳・編集=木内涼子 文=ウォーレン・バフェット

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