ビジネス

2017.09.22

ECの普及で実店舗は蘇る 「BASExアソビシステム」が狙うモノ

(左から)アソビシステム中川悠介、BASE代表取締役CEO 鶴岡裕太


「リアルの場で売る」ことの意味が変わってきている

野村総合研究所(NRI)の予測によれば、2020年には20兆円を突破するなど、急拡大を続けるEコマースの市場規模。その一方で、百貨店の売上高は36年ぶりに6兆円を割り込むなど、減少の一途をたどる。そうした中、なぜBASEとアソビシステムは“リアルの場”での取り組みを推し進めるのか。

その背景にあるのは、購買体験の原点回帰だ。Eコマースが普及し、オンラインでモノを購入することが当たり前になった一方で、近年ではスマートフォン上では伝わらない質感や触感が重要視されるようになってきたと鶴岡は語る。

「数年前まではネットで商品を売ることのニーズが高かったのですが、最近は直接販売するニーズが高まってきている。Eコマースが普及したからこそ、リアルの場で売ることの意味が変わってきているんですよね」

「Eコマースの台頭で、実店舗は終わった」──そう語られることが多くなってきたが、Eコマースは実店舗を侵食するものではない。それが鶴岡、中川の見解だ。



「音楽業界においてライブビジネスが成長しているように、現在は“体験”が求められるようになっている。これは音楽業界に限った話ではなく、小売業界も同じ。いつの時代もリアルの場の重要性は変わらない」

アソビシステムの中川はこう語り、下北沢で開催されたイベントを手始めに「ASOBASE」を全国展開していくつもりだという。

「こうした取り組みによって、実店舗の売上が復活することも全然考えられる。Eコマースと実店舗は共存していくもの。今後、いろんなチャレンジをしていければ」と鶴岡は今後の抱負を力強く語った。

文=野口直希、写真=小田駿一

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