台湾の「電動スクーター版テスラ」 住友商事等から330億円調達

Courtesy of Gogoro

“電動スクーター業界のテスラ”の異名をとる台湾の「Gogoro」が9月19日、3億ドル(約335億円)のシリーズC資金調達を行ったとアナウンスした。出資元にはシンガポールの政府系ファンドのテマセクや、日本の住友商事、フランスのエネルギー企業のENGIEらが加わった。

2011年にGogoroを2011年に共同創業したCEOのHorace Lukeによると、同社の企業価値は8億ドルを超えたという。Gogoroはこれまでの2回の調達ラウンドで1億7000万ドルを調達していた。

Gogoroの売りはスタイリッシュで高性能な電動スクーターだ。創業者のLukeはかつて、スマートフォンの勃興期にHTCのイノベーション主任を務めた人物で、彼が生み出したスクーターを“ベスパとiPhoneの融合”と形容する人もいる。Gogoroは2015年の発売以来、累計で3万台のスクーターを販売した。

Gogoroのスクーターの特徴は、着脱可能なバッテリーを使用する点で、台湾の各地の400箇所のバッテリーステーションで交換が行える。オーナーたちは台湾の全土をこのスクーターで走破できるのだ。

同社は最近、ベルリンやパリにも進出を果たしたが海外進出はまだこれからの段階だ。また、伝統的にスクーターの人気が低い米国への進出は困難と見なされている。

デザイン性に優れた電動スクーターをメインストリームの市場にアピールするというGogoroのビジョンは、テスラに似ているとの見方もあるが、Lukeは「我々が狙うのはテスラよりも、幅広い人々に向けた市場だ」と述べる。

「テスラは確かに勢いがある企業だが、彼らのターゲットは世界人口の1%か2%のボリュームだ。我々はより多くの人々に製品をアピールしていきたい」とLukeは話した。

編集=上田裕資

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