製造現場を「スマート」に コマツ、YKK、KDDIらの取り組み

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6. 工場全体の弱点を見える化|ジェイテクト

想定より生産数が少ない、設備が頻繁に停止するも原因不明……。自動車部品メーカーのジェイテクトは、モノづくりの現場で発生する課題を解決すべく、生産マネジメントシステムの開発に着手している。

同システムは工場内の設備にIoTのシステムを活用することで、どの設備でどんな問題が起きているか、モニターによる表示ですぐに確認、対応できるというもの。また、それらのデータをサーバーに蓄積することで、どこに弱点があるかを分析することも可能だ。これによって無駄が削減されたほか、生産性の向上にも貢献している。

7. ドローンの自律飛行を実現|KDDI、ゼンリン、プロドローン

KDDI、ゼンリン、プロドローンの3社はモバイル通信ネットワークを活用したドローン専用基盤「スマートドローンプラットフォーム」の商用化に向け、業務提携を結ぶと発表。モバイル通信ネットワーク、空の3次元地図、ドローン機体という各社が持つアセットを活用することで、ドローンの自律飛行を実現するというものだ。

例えば、衝突を回避するなど飛行ルートの管理に加え、ドローンが取得したビッグデータの蓄積、分析などを行うことができる。今後、設備検査や農業支援、災害救助などへのソリューションの提供が見込まれている。

8. IIoTの実現を目指し、協業|横河電機

製造業における生産現場のスマート化を指すIIoT(Industrial Internet of Things)といった言葉 。最近、石油精製など、大規模な機械装置を用いる装置工業において、温度・圧力・流量などの生産工程を自動化する「プロセス・オートメーション(PA)」の分野でも語られることが増えてきた。その動きを牽引しているのが、大型プラントの制御システムやセンサーなどを手がける横河電機だ。

同社はPA分野向けのプラットフォーム「IIoTアーキテクチャ」の開発に着手。2017年2月、マイクロソフトをはじめとした、4社との協業を発表した。

9. 130の工場をネットワークでつなぐ|デンソー

“人を成長させる共創型IoT”の実現を掲げているのが、自動車部品メーカーのデンソーだ。同社は2020年までに世界中にある約130の工場、2500のライン、15万の設備を全てネットワークで接続することを目標としている。知恵を結集させ、世界中の生産ライン、仲間がひとつ屋根の下にいるような環境をつくり出すことで、生産性の30%向上を目指している。

この取り組みにより、デンソーは関係者がつながる「一体化」、情報の蓄積による「共有化」、見えにくかったものが「見える化」するといった効果が生まれることを期待しているという。

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編集=新國翔太

この記事は 「Forbes JAPAN No.38 2017年9月号(2017/07/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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