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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

ニューヨークのマンションの自宅が財団事務所でもあるクンスタダー氏

「社会貢献を少しはやっている。関心もないわけではない。でも、もっと自分らしい方法はないのか」

そうした意識を持った人たちの間で、「ファミリー財団」をつくることへの関心が、今高まりつつある。かねてより欧米のちょっとした資産のある個人の間では、セミリタイアした後に、自分で財団を立ち上げて財団理事長となり、ライフワークとして楽しみながら社会貢献する人たちも多い。あるいは、世代を超えて親から子、その孫へと財団が引き継がれていくこともよくある。この動きが、日本でも少し広がり始めているのだ。

アメリカで4万団体を超えるファミリー財団

「ファミリー財団」とは、トヨタ財団のような企業がつくる財団と違って、ある意味、「普通の個人(家族)」が個人的社会貢献活動の一環で、財団を設立しようものである。実はアメリカではこうしたファミリー財団が、4万近くもある。

有名なのは、メリンダ&ビルゲイツ財団やロックフェラー財団のような超富裕層が設立した大規模な財団だが、アメリカではさらに多くの財団が、より小規模で運営されている。財団としての資産規模も、約半数が1億円未満。多くの“プチ富裕層”が、財団を「地域貢献を楽しむツール」として活用しているといえる。

財団を設立するというと、「そんな大変そうなこと」と思うかもしれないが、ほとんどのファミリー財団は、独立オフィスを持たず、専従職員を雇うことも必要がないほどに、シンプルな運営をしている。主な実務は、年に1回程度、ホームページに公募助成企画を掲載して、NPOなどの地域で活動をする団体から集まった助成申請書を検討する審査会を開催するのみ。

そのため、審査会も自宅のリビングやレストランで、審査委員のメンバーとお茶やクッキーを楽しみながら話し合うといった雰囲気。しかし、この実像は日本ではほとんど知られていない。

家族にとっての新たなレガシー

なぜ、欧米の人たちはこうしたファミリー財団をつくるのだろうか。私がアメリカで出会った財団設立者の声を紹介しよう。

「自分たちには子どもがいなかったから、資産もそのうち、国庫に入ってしまう。それくらいなら次の世代の子どもたちのために財団をつくろうと考えたんです」(テキサス州で自動車ディーラーショップを経営していて、オリンスガー財団を設立したオリンスガー氏)

「家族に障がいを持つ子どもがいたので、障がいを持つ子どもたちのための財団をつくろうと思い立ちました」(地域で不動産会社を経営していて、ゴードン・ハートマン財団を設立したゴードン氏)


障がいを持って生まれた娘の写真を横に語る、財団創立者ゴードン氏

「若いころ仕事でアジアの国で働いていたので、定年後にその恩返しを自分らしくしたくて。そして自分の子どもたちにも、いろいろな社会問題にかかわるきかっけをつくれると思ったから」(ニューヨークのクンスタダー財団を設立したクンスタダー氏)

このように、財団設立の動機は様々だ。しかし、そうした財団創設者や経営者に共通しているのは、「自分のできる範囲で、自分らしく社会貢献しよう」を考えた結果、ファミリー財団を設立することになったという「自然体」な感覚である。

そして皆一様に「もちろん、個人としてどこかのNPOなどに寄付するということも大切なことだが、自分でファミリー財団をつくると、もっと社会貢献している『実感』が得られる」と語る。

文=鵜尾雅隆

 

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