フォーブスは毎年、報酬情報サイトのペイスケール(PayScale)の力を借り、就職に最も有利・不利な修士号を調べている。
ペイスケールは、14万5536件の給与情報を元に、就職に最も有利・不利な学位のリストを作成。ランキングの作成に当たっては、キャリア初期の給与(社会人経験0~5年の給与額中央値)、キャリア中期の給与(社会人経験10年以上の給与額中央値)、給与増加率、仕事に対する満足度、仕事からのストレス、仕事のやりがい、米国労働統計局による雇用予測の7つの要因を均等に考慮した。
就職に役立つ修士号トップ10は次の通り。
1位 生体工学(BME)
2位 コンピューターサイエンス(CS)
3位 物理学
4位 コーポレートファイナンス(MBA)
5位 総合・戦略的経営学(MBA)
6位 数学
7位 経営情報システム(MIS)(MBA)
8位 統計学
9位 財務管理(MBA)
10位 応用数学
1位は生体工学。米労働統計局(BLS)によると、この分野では「工学の原理と医療・生物学を組み合わせ、ヘルスケア分野で使用される設備、装置、コンピューターシステム、ソフトウエアの設計・製造」に携わることができる。修士号を持つ従業員の給与は、キャリア初期では7万200ドル(約770万円)だが、中期には12万9300ドル(約1420万円)にまで上昇。仕事の満足度や、やりがいを感じる割合も高い。
2位はコンピューターサイエンス、3位は物理学だった。物理学の修士号取得者は、研究の道に進む者もいる一方、米航空宇宙局(NASA)などの機関に就職する者もいる。生体工学と同様、物理の修士号取得者の給与の伸び率はかなり高い。社会人経験10年以上での給与額は12万4800ドル(約1370万円)に上る。
では次に、就職に不利な修士号のワースト10を見てみよう。
1位 グラフィックデザイン
2位 インテリアデザイン
3位 幼児教育
4位 福祉
5位 ライティング
6位 牧会学・司牧学
7位 図書館学
8位 コミュニティーカウンセリング
9位 美術史
10位 初等教育
ワースト1位はグラフィックデザイン。給与はキャリア初期で5万1800ドル(約570万円)、中期でも6万8800ドル(約760万円)までしか増えず、ランキング上位の修士号と比べ増加幅はかなり狭い。仕事に対する満足度もとりわけ低く、修士号取得者のうち仕事に満足していたのはたった31%だった。