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2017.09.13 17:00

世界が驚愕した「サルの自撮り写真」法廷闘争の結末 

Fabian Faber / Shutterstock.com

Fabian Faber / Shutterstock.com

長年にわたり争われてきた「サルの自撮り」に関わる訴訟騒動に決着がついた。結果として、サルにも一定の分け前が与えられる。
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2011年、動物写真家のデイビッド・スレーターはインドネシアのジャングルで、とさかのある黒ザルの群れを撮影していた。その時、スレーターがカメラから離れたわずかな隙に、新しもの好きなサルが自分でシャッターを押してセルフィーを撮ってしまったのだ。

この写真は大きな話題となり、スレーターは旅費をカバーする十分な収入を得ることになった。しかし、トラブルが発生したのはその後だ。2つのウェブサイトがサルの自撮り写真を掲載したが「これはサルが撮った写真だから費用は払わない」と主張したのだ。

スレーターは著作権を持っておらず、ナルト(Naruto)と呼ばれるそのサルに権利があるというのが彼らの言い分だった。
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さらに、“動物の倫理的扱いを求める団体”のPETAがサル側の味方として立ち上がり、スレーターと彼の会社のワイルドライフ・パーソナリティーズを相手取った訴訟を起こした。Petaは“ナルトの代理人”としての立場から、写真の利益は撮影者であるサルにわたされるべきだと主張した。

騒動が加熱するなかで、本当にナルトが写真を撮ったのかとの議論も起こったが、この点に関してはさほどの問題にはならなかった。

米国の裁判所は結局、サルには著作権保護が適用されないと判断し、PETA側も上訴を断念した。しかし、ナルトには嬉しい決定も下された。スレーターは写真から得た利益の4分の1をPETA側に差し出すことに同意したのだ。

黒ザルたちは主に木の実や果物等を食べて生きている。しかし、写真からの収益は彼らの食べ物だけでなく、黒ザルの生息地域を守るための様々なチャリティ活動に注がれる。

今回の騒動に関し、PETAは次のような声明を発表した。「ナルトと彼が撮った自撮り写真は、サルたちが他の多くの動物たちと同様に、高い知性を持ち、思慮深く、洗練された生き物であることを示している。彼らは人類と同様の著作権やその他の権利が認められるべき存在だ」

しかし、米国著作権局は異なる見解を示している。2014年に著作権局は新たなガイダンスを発行し、著作権を持てるのは人間のみであると規定した。

編集=上田裕資

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