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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

varuna / Shutterstock.com

日常生活を突如脅かす地震や台風、世界規模での気候変動。自然環境は、時に私たちを悩ます「厄介なもの」だ。では、テクノロジーが高度に発達さえすれば、人類は自然環境の未来を予想し、うまく管理をすることができるのだろうか。

地球温暖化を例に考えてみよう。その主な要因は、人間による化石燃料の過剰消費。もし、テクノロジーのみに頼る「技術工学的アプローチ」を採用するとすれば、クリーンエネルギーを導入し、解決を目指すことになる。

しかし、問題の核心はそこにはない。なぜ人間は地球温暖化に繋がると分かっていても、化石燃料を使い続けてしまうのか?

まず問うべきは、人間社会の業(ごう)や、各国の政治的緊張関係といった社会的な側面だろう。そこで、例えば、人間が行動するインセンティブを分析する行動経済学の知見を活かして解決を目指すのも、ひとつの手段となるだろう。このように、人間の行動を考慮に入れた上で、テクノロジーの導入を検討する。

「社会工学的アプローチ」を採用すれば、それまでは全く見えてこなかった「自然の未来」が浮かび上がってくるはずだ。

では、繁栄を目指す人類は自然とどう向き合えばいいのだろうか。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校電気コンピュータ工学のラヴ・ヴァーシュニー助教授は、自然との「調和」を推奨する。

例えば、スマートフォンから牛肉まで、製品の生産には世界中で大量の水が使われているが、その水の使用量とプロセスを定量化し、世界中を巡る水の動きの仮想的な再現を試みる「バーチャルウォーターフロー」というプログラムがある。また、「エンサラス」は、社会のあらゆる排水プロセスに目を向け、データ活用による効率的な排水のリユース・リサイクルを目指すシステムだ。

「こうしたステムの背景にある思想は、決して水の管理ではない。むしろ、どれだけ悪影響を及ぼさずに、現在の水のサイクルにうまく参入するか。つまりは、調和を試みているのだ」

ヴァーシュニーは、続ける。

「自然は人類の敵ではない。むしろうまく付き合うことが、人類の幸福な未来の鍵を握る」

社会工学的アプローチとは

過去数世紀に渡り、「希少性の問題」に直面していた人類は、食料を増やす(緑の革命)、物資をより早く輸送する(産業革命)、より多くの人々とコミュニケーションを広げる(情報革命)など、「技術工学的アプローチ」で、課題を解決してきた。しかし、そうした「技術工学的成功」こそが、肥満や気候変動情報過剰といった「過剰性の問題」を引き起こしている現在、より複雑化した問題の解決を目指すのが「社会工学的アプローチ」である。これは、自律性や正義など、人の行動原理に関わる問題に十分に考慮した上で、テクノロジーを併用しながら問題の解決を目指す手法だ。


ラヴ・ヴァーシュニー◎イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校電気コンピューター工学助教授、座標科学研究所助教授。情報理論、集団的知性、信号処理、データ分析、神経科学、計算創造学などを研究領域とする。

編集=フォーブス ジャパン編集部

 

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