Slack追撃のマイクロソフト メッセージツール「Teams」に新機能追加

Slack創業者 スチュワート・バターフィールド(Photo by CNBC / gettyimages)

マイクロソフト版のSlackとも呼べる、メッセージングアプリ「Teams」に社外ゲストの参加機能が加わった。

Teamsの利用者は今後、社外のユーザーを交えてメッセージのやり取りが出来るようになる。マイクロソフトによるとTeamsは現在、25の言語にまたがる12万5000の組織で利用されているという。

マイクロソフトの今回のアナウンスは、Slackが2日間にわたりサンフランシスコで開催するユーザーカンファレンスの前日に行われた。メッセージング分野ではオーストラリア企業の「アトラシアン(Atlassian)」も先週、Strideと呼ばれる新ツールを公開したばかりだ。

ゲスト機能の導入により、Office 365の全ユーザーがTeamsを利用可能になり、マイクロソフトのクラウドサービスや、Azure ADと連携するアプリのアカウントを持つ8億7000万人以上のユーザーを、Teamsのゲストとして追加できるようになる。

さらに、今後は無料のマイクロソフトアカウントを持つユーザーであれば、誰でも参加可能になり、アウトルックやスカイプ、XboxのユーザーもTeamsが利用可能になる。企業のIT部門は従来と同等のセキュリティを保ちつつ、ゲストの利用動向を把握できる。

今回のアナウンスではまた、Teams内で動作するボットの開発キットのBotkitも発表された。人気のチャットサービスのJiraやGitHubとのAPIの統合もアナウンスされた。

マイクロソフトは2016年11月にTeamsの導入をアナウンスした。同社のサタヤ・ナデラCEOは8500万人に及ぶOffice 365のユーザーベースが今後の強みになると述べていた。マイクロソフトは今回発表したTeamsを利用中の「12万5000の組織」のうちの何名が、Office 365のユーザーであるかを明かさなかったが、TeamsがSlackに追いつくのはかなり困難だと予想される。

競合のSlackは余裕の構え

Slackはマイクロソフトの発表にぶつける形で、「デイリーユーザーが400万人に達した」と発表した。この挑発的とも思える動きをどう捉えるかという質問に対し、マイクロソフトの広報担当者は「クラウドサービスの運営事業者として、我が社は新機能の準備が整ったタイミングでそれを利用者に提供していく」と回答したのみだった。
Slackやマイクロソフト、アトラシアンのような企業がメッセージング分野で競争するのは、利用者側にはメリットをもたらす。企業同士が先を争って新機能を投入することで、使いやすいサービスに仕上がっていく。

マイクロソフトは今回の措置で利用者を大幅に増やすことは難しいが、少なくとも既存のOfficeユーザーに対してはアピールが可能になる。しかし、競合のSlackは今年5月時点で既にゲスト機能を導入していた。Slack側としてはマイクロソフトの新機能は、さほどの脅威ではないかもしれない。

編集=上田裕資

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