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ドイツ工学アカデミー(acatech)のヘンニヒ・カガーマン会長

ドイツ工学アカデミー(acatech)のオフィスで、私は2015年春に同アカデミーのヘンニヒ・カガーマン会長に長時間にわたってインタビューを行った。彼は11年に連邦教育科学省の次官らとともに初めて「インダストリー4.0構想」を発表した、いわばインダストリー4.0の生みの親の1人である。

カガーマンは「工作機械と部品、製品をインターネットでつなぐサイバー物理システム(CPS)は、工業生産に座標軸を覆すような変化をもたらす。工業の歴史の中で初めて、製品が受動的ではなく能動的な役割を演じるようになるからだ」と断言する。

つまり製品が加工の仕方を工作機械に伝達することによって、受け身の存在から積極的な「アクター(行動者)」に生まれ変わるというのだ。

カガーマンは将来も製造業界の競争力を維持するには、今のビジネスモデルを破壊して製造業とITビジネスを融合させる必要があると考えている。

だが彼は私に対し、インダストリー4.0は大量生産のコストでカスタムメイドの製品を作るなどの、生産効率の向上にとどまらないと強調した。カガーマンが重視しているのは、世界中に売られた製品がインターネットを通じて本社に送り込むビッグデータの分析によって、ドイツのメーカーが新しいサービスや製品を能動的に販売する「スマート・サービス」である。そして、メーカーがデジタル・プラットフォームの活用によって新しいビジネスモデルを開発することだ。

「ドイツのミッテルシュタントは、将来製品を製造したり輸出したりするだけではなく、製造ノウハウをデジタル・プラットフォームに公開し、料金を払った顧客がソフトをダウンロードし、自分で製品を『プリントアウト』できるようなビジネスも目指すべき」と、製品だけではなくサービスや新ビジネスモデルからの収益を増やすことが重要だと彼は考えている。


熊谷 徹◎ドイツ在住ジャーナリスト。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン支局勤務中に、ベルリンの壁崩壊、米ソ首脳会談などを取材。90年からはフリージャーナリストとしてミュンヘン市に在住。『日本の製造業はIoT先進国ドイツに学べ』(洋泉社刊)など著書多数。

文=熊谷 徹

 

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