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I write about the latest news in the new music business.

Photo by Justin Sullivan / gettyimages

フェイスブックは大手レコードレーベルや音楽出版社に対し、ユーザーらが楽曲や音楽ビデオを合法的にシェアできるよう、数億ドル規模のアドバンスの支払いを提案している。9月6日、ブルームバーグが報道した。

フェイスブックは2015年から動画分野に乗り出し、驚くべき速度でユーチューブとの差を縮めているが、今回の動きが大きな節目となるかもしれない。

ただし、音楽業界とユーチューブは切っても切れない関係にある。ユーチューブは動画の広告収入の55%を権利者らに支払っている。1再生あたりの広告収入が低下するなかにおいても、音楽業界はこれまで使用料を徴収できていなかったコンテンツをトラッキングすることで、新たな収益化の道を見出そうとしている。

一方でフェイスブックは、ユーチューブのようなコンテンツIDの仕組みを持っていないために不正な楽曲使用が放置され、音楽業界のマネタイズの面では遅れをとっていた。しかし、フェイスブックが数億ドルにおよぶキャッシュのレーベル側への支払いを決めたことは、大きな前進となりそうだ。

国際レコード産業連盟(IFPI)の調べでは2016年に5億5300万ドルが、ユーザーの投稿した動画からもたらされたという(ユーチューブ側は年間10億ドルを支払ったと主張しているため、この数字には大きな隔たりがある)。

ユーチューブはこれまで約10年をかけて音楽業界に利益を与えられる規模に成長した。しかし、今後はさほどの伸びも見込めず、業界としてはフェイスブックの参入は非常にありがたい。

FBはコンテンツ管理企業を買収

ユーチューブの場合はコンテンツIDを活用することで、業界側に違法に楽曲が使用されたコンテンツの処置に関する選択権を与えた。違法コンテンツを削除する、もしくはそのPVから得られた広告収入を得られるのだ。フェイスブックも同社版のコンテンツIDの導入を目指し、先日はコンテンツ権利の管理プラットフォーム企業「Source3」を買収していた。

また、フェイスブックはユーチューブよりも友好的なスタンスを音楽業界に対して打ち出している。マーク・ザッカーバーグは先日、投資家らに向けて今後の成長には動画と音楽が欠かせないと述べていた。フェイスブックは音楽のライセンス事業に詳しい企業の重役らを新たに雇用し、音楽部門で包括的な戦略を進めていくと発表した。

2006年にユーチューブを買収したグーグルの心配の種は近年、利用者らが新たな音楽を発見する場所としてストリーミングサービスに頼るケースが増えていることだ。ユーチューブは依然として音楽発見ツールとして主要なポジションを維持しているが、数年前と比べるとその地位はやや低下したのが現実といえる。

利用者数が20億人を突破し、なおも成長を続けるフェイスブックは、そう遠くない将来に音楽ビデオ分野での主導権を握る可能性がある。フェイスブックの拡大戦略は一貫して高い確度で成功を収めている。一方で、グーグルの戦略には当たり外れがある。

音楽業界としてはフェイスブックからもたらされる新たなライセンス収入に期待を抱いており、それこそがフェイスブックの狙いだ。ユーチューブも新たなうまみを提示しようとはしているが、信頼は得られていない。一方、フェイスブックはキャッシュを提示して、新たなアクションを起こそうとしている。交渉の場において現金に勝るものはない。

編集=上田裕資

 

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