機能不全かつ有害な職場環境となっているとされるホワイトハウスで高官らが仕事を続ける言い訳は、同じように有害な職場で忍耐強く勤め続ける一般の人々が口にするものと全く同じだ。ここでは彼らが語る理由と、その理由がなぜ筋の通らないものであるかを説明する。
「私は必要とされている」
おそらくこの言葉は、有害な職場に勤め続ける人々が自分を正当化するために使う最大の自己賛美的虚言だろう。もちろん辞めることはできるけど、そうすれば全てが悪化する、職場に留まり内部から変化を促すべきだ、と自分に言い聞かせているのだ。
しかしそれは誤りだ。あなたの代わりはいる。代わりのいない人材などいない。あなたが携わるやっかいな仕事を喜んで引き受けるような世間知らずは大勢いる。もし希望者が少なくとも、雇用主はもっと優れた人材が集まるよう報酬を高くするだけだ。
「仲間を置いていけない」
職場環境があまりにばかばかしかったり、ストレスだらけだったり、つらかったりするため、あなたのことを分かってくれるのは同僚だけ、ということもある。同じ境遇にある者同士、ある種の団結心が生まれるのだ。
慰め合う仲間がいることでつらさが和らぐように思うが、この仲間意識が原因で、かえって無限の悪循環におちいってしまうこともある。というのも、愚痴を言い合っても実際のところ元気にはなれず、より一層暗い気持ちになり、皆で状況を良くしていこうとしたり、もっと良い会社に転職しようとしたりする前向きな気持ちが奪われてしまうからだ。
悲惨な状態では仲間が欲しくなるかもしれないが、そんな状況を仲間と共有するために仕事を辞めない、というのは理由としておかしい。