日本の「平均点教育」について僕が思うこと|小山 進

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そもそも論になりますが、学校の先生になる人の仕組みを変えなければいけないと思っています。何かひとつ「これだけは絶対に負けない」と言えるほどに何かをやりきった人でなければならない、という条件を追加するんです。

先生自身にやりきった経験がないと、やりぬこうとしている子どもの気持ちを汲んで応援してあげることは難しく、夢中になって他のことが疎かになってしまっている子に、正論をかざして注意してしまうかもしれない。でも、その注意はおそらく聞いてもらえないでしょう。聞いてもらうためには、子どもから見た先生が“かっこいい大人”でないといけないんです。

昨年、リオ五輪の閉会式で日本が大絶賛されましたよね。日本の得意技を分かっているプロが集まって、誰も文句を言えないキャスティング、他の国には真似できない日本のアニメーションを交えて作ったから、あんなに絶賛されたんです。彼らのような優秀な才能を育てるには、身近な学校教育から変えていかなければならないと考えています。

夢を目標化し、1つずつクリアする

子どもたちは先生や親から「夢を持ちなさい」と言われます。それで何となく夢を持つんですが、大事なのはその後。

その夢を達成するには、いつまでに何をすれば良いのか。期限までに思った通りに進まなければ修正をしていくうちに、夢が目標に変わり、さらにいくつもの小さな目標に変わります。それを1つずつクリアしていく癖を、幼稚園や小学校の頃から身につけるような教育をすべきだと思うんです。

僕自身、「やりたいことは何ですか?」とよく聞かれますが、やらなければならないことだらけで、やりたいことにたどり着けていません。だから店のつくり方も「改善する」としか言っていない。でも僕は、やらなければならないことを、 ものすごく“楽しくやる”のが好きなんです。大切なのは、コンプレックスから逃げずに向き合うこと。店の改善も「店のコンプレックス」を直していく作業です。

そんなことを言っていたら、世の中のコンプレックス、直さなければならないところが見えてきました。もちろん全てではありませんが、もしかしたら僕が力になれるところがあるのではないかと思うようになったんです。

僕が日本の教育に貢献できるとしたら、これまで述べてきたお話を、子どもたちにはもちろん、先生や子どもに対して指導する立場の方々に対してもしていくことだと考えています。だから今後も講演活動や、外部でのお菓子教室を続けていくつもりです。

編集=筒井智子

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