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2017.09.23

設立1889年、アイルランド最高峰のゴルフ場を訪ねて

ウォータービルは、山地とカレイン湖と大西洋に囲まれた独特な地形にある。


コース自体は、圧巻の美しさを誇る4つのパー3とパー5がつとに有名である。なかでも11番パー5のティーショットは「heavenly shot」、天国に向かって打つショットというくらい美しい。
 
また16番ホール、386ヤードのパー4は、大西洋に面した崖沿いの打ち上げホールだ。左に曲がったドッグレッグの打ち上げは非常に難しく、もしもホールインワンを狙うなら、風の影響を考慮しながらショートカットを決める必要がある。不可能のような話だが、ウォータービルの所属プロであるリアム・ヒギンズは、ここで奇跡のホールインワンを成し遂げ、コースレコードとなる「65」を記録した。

その偉業を記念して、元々「Round the bend(地形通りに曲がったコース)」という名前であった16番ホールは、「Liam’s Ace」という名前へ変更されている。
 
私と加茂太郎氏は、幸運にも、この快挙を達成したリアムから直接スイングの手ほどきを受ける栄誉に浴した。彼のスイングはとてもきれいかつ優雅であり、ショットを打った後も「keep your heads down(頭を低く保つこと)」が最大のコツだと教わった。
 
リアムは、ヨーロピアンツアーやシニアツアーで長年プレイしてきた名選手である。日本人で唯一ヨーロピアンシニアツアーの賞金王を獲得したプロゴルファーの海老原清治氏とは、夫婦ぐるみの付き合いをしているそうで「彼らは家に泊まりに来たこともある」とうれしそうに語ってくれた。
 
ゴルフを通じた友情は、プロアマ問わずいいものだなと感じ入った。


こいずみ・やすろう◎FiNC 代表取締役CSO/CFO。東京大学経済学部卒。日本興業銀行、ゴールドマン・サックスで計28年活躍。現役中から、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢・発起人、TABLE FOR TWO Internationalのアドバイザーなど社会貢献活動にも参加。お金のデザイン社外取締役、WHILL、FC今治のアドバイザー。

文 = 小泉泰郎

この記事は 「Forbes JAPAN No.38 2017年9月号(2017/07/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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