私たちの感情と幸福感について、これら2つの調査が示す結果は、必ずしも因果関係ではない。だが、強い関係性があることは確かだ。私たちは直感的に、これらの結果に納得することができる。さらに、これらは新たに発見されたことではない。ヘブライ大学の調査が示した結果について、哲学者アリストテレスは次のように述べている。
「幸福感を持つ鍵は、その時々に置かれた状況において適切だと思える感情を持つことだ。いつでも楽しさだけを経験できるかどうかということではない」
さらに、2つの調査結果で示されたことは、仏教の思想にある「マインドフルネス」にも関連している。その中心的な考え方には、「思考や感情を判断したり排除したりしようとするのではなく、あるがままにさせる」ということがある。そうすることで、否定的な感情はそれ自体の力を失い、自然に消えていくのだ。
幸福への鍵は恐らく、私たちは常に幸せな気持ちでいられるわけではないと理解しておくこと、そして、「それで良いのだ」と知っておくことだろう。