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2017.09.04

コカ・コーラ、AI自販機を展開へ どこでも買える便利さを提供

Fotazdymak / Shutterstock.com

コカ・コーラは近く、人工知能(AI)を搭載した「スマート自動販売機」の設置をニュージーランドで開始する。その後は米国でも、同タイプの自販機を展開していく計画だ。

スマート自販機はクラウドに接続され、デジタル制御・管理される。これにより、コカ・コーラはこの自販機で販売する商品の価格を遠隔操作で変更できるようになるほか、限定的な地域での割引や販売促進キャンペーンをより容易に行うことが可能になる。

さらに、消費者はこれらの自販機から離れた場所にいても、スマートフォンを使って飲料をあらかじめ注文。指定された自販機で商品を受け取ることができる。また、世界中のどこからでも、離れた場所にいる家族や友人のために飲み物を注文し、贈ることができる。

一方、コカ・コーラはこうした技術を通じて、顧客にパーソナライズしたメッセージを送ることができる。そのほか、顧客が利用できるチャットボットプラットフォームを構築した。顧客がフェイスブックのメッセンジャーを通じて自販機のボットと会話をすると、そこで収集されたデータに基づき、顧客への返答をカスタマイズしていくことができる。

小売各社がより便利な買い物体験を実現し、顧客とのデジタルな結びつきを強めようとする中、コカ・コーラはこのスマート自販機によって、顧客の消費行動に関する理解を深め、商品・サービスの質の向上つなげることができるだろう。今後は同社事業に、従来の「自販機」以上の影響を及ぼすことになると考えられる。

「便利さ」の追求

現金やカードを挿入する必要がなくなることから、消費者はスマート自販機を使えばより簡単に、素早く飲料を購入することができる。また、スマートフォンで注文ができることでも利便性が向上する。利用者にはスマホを通じて、今いる場所から最も近い自販機の位置が通知される。

コカ・コーラはこうした技術によって顧客との結びつきを強め、消費行動に関するデータを収集できる。いくつかの企業がすでに、デジタルプラットフォームを通じて集めた消費行動に関するデータ分析から恩恵を受けている。例えば、マクドナルドは顧客のニーズに合わせた商品改良における顧客データ分析の有用性や、データ活用に基づく取り組みがいかに売上高の増加に貢献したかといった点を強調している。

スマート自販機の導入で、コカ・コーラもマクドナルドと同様、顧客データをサービスの改善に活用することができるだろう。炭酸飲料の売り上げが減少する中で、デジタル革新と顧客サービスの改善は、コカ・コーラの長期的な利益成長につながると考えられる。さらに、こうした革新は同社の業務管理の効率を高め、長期的なコスト削減にもつながると見込まれる。

編集=木内涼子

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