Qadiumのプラットフォームは「IoTデバイスのグーグルストリートビュー」として、顧客のネットワーク上の不審なデバイスを検知し、ハッキング被害を防ぐサービスを提供している。
ジュニオはCIA時代に他国からのサイバー攻撃を監視する業務に従事しており、2014年にはDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)の依頼で政府関連サーバーの脆弱性を洗い出した。Qadiumの顧客としてはアメリカ国防情報システム局(DISA)やアメリカサイバー軍等の政府組織をはじめ、民間企業ではデルやペイパル、CVSやクレジットカード会社のCapitol Oneなどがあげられる。
今回のシリーズB資金調達はIVPが主導し、TPG GrowthやNEA、ピーター・ティールのThiel’s Founders Fund、Susa Ventures、匿名のエンジェル投資家らが加わった。Qadiumの累計資金調達額はこれで6600万ドルに達した。同社はシリーズAでは2000万ドルを調達し、ピーター・ティールからは600万ドルのシード資金を得ていた。
Palantirやフェイスブックの初期投資家として知られるティールは、Qadiumの役員は務めていない。ジュニオは同社の評価額の詳細を明かさないが、数億ドル規模の評価を受けたと述べた。
Qadiumのシステムは現在の主要なプロトコルであるIPv4で接続された、あらゆるデバイスにリーチ可能で、顧客らはネットワーク上のデバイスの脆弱性を発見できる。
Qadiumを導入した企業はネットワークをマップ化して監視可能になり、各企業のニーズにカスタマイズした警報も受け取れる。ジュニオによると、同社のシステムを導入した企業らは今年、世界的脅威をもたらした身代金ウイルス「WannaCry」の被害を一切受けていないという。「Qadiumの防御システムは最新のウイルス攻撃にも万全な対応を果たした」とジュニオは述べた。
多くの政府機関が年間100万ドルもの費用を払いQadiumのシステムを利用しているが、ジュニオは同社のシステムが、あくまでも「防御専門」である点を協調する。昨年のフォーブスのインタビューで、ジュニオは彼らのテクノロジーを「サイバー戦争のためには利用させない」と述べていた。
「Qadiumを用いてサイバー攻撃が行われることはあり得ない」と、ジュニオは述べた。