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安氏:Steemをはじめて見た瞬間に「これだ!」と直観したのですが、実際に使ってみて、直観は確信に変わりました。

チームメンバーの一人がちょうど南米旅行に行く機会があったので、マチュピチュやボリビアのラグナ・コロラダなどの南米旅行記を写真を交えて紹介したところ、わずか1記事で数時間のうちに30ドル相当の仮想通貨を稼いでしまったのです。

この仕組みならば、「専門家にも認めてもらえるような質の高いコンテンツをつくる」というインセンティブを構造的に作り出すことができる。ブロックチェーンベースのソーシャルメディアプラットフォームに大きな可能性を感じました。

一方で、実際にSteemを使ってみて感じたのは、あまりに複雑な仕組みと、使い勝手の悪さ。だったら、自分たちでSteemを超える「世界一シンプルで使い勝手の良いブロックチェーンベースのソーシャルメディア」を作ってしまおうと考えたのです──

なぜ「日本国内初の大規模のICO」に踏み切れたのか?

「ブロックチェーンとトークンの仕組みを活用したソーシャルメディアをつくることができれば、日本のメディアを進化させられるに違いない」

そう確信したALISチームは、サービス開発や人員強化、マーケティングに必要な資金を調達する方法としてICOを選択した。海外ではいくつか成功事例が出てきつあるものの、日本国内ではまだ前例がなかったICO。リスクが大きい中で、ALISチームはなぜICOによる資金調達を決断したのか。


石井 壮太氏:Co-Founder / Engineering

安氏:海外でのICOが軒並み資金調達をしていたので、我々も海外でプロジェクトをスタートすることも視野に入れていました。でも、できることなら日本でやりたかった。日本でもICOできるんだぞ、ということを、日本人である僕らが証明したい、と考えたからです。インターネット技術が出てきたとき、日本企業がことごとく乗り遅れてしまい、グーグルやアップル、アマゾンといった海外の企業の後塵を拝してしまいました。

インターネットの次の技術として注目をされるブロックチェーン技術では、同じ轍を踏まないように、日本発で世界と闘えるブロックチェーン活用プラットフォームをつくりたい、そしてもっと日本国内のブロックチェーンを盛り上げて行きたいと考えるようになったのです。

ところが、今年の4月に施行された改正資金決済法によって、仮想通貨が定義され、ビットコインなどの仮想通貨の売買等を行う仮想通貨交換業者に対して登録制が導入されることになりました。

「ICOは仮想通貨として定義されるのか否か」について、当初は金融庁の判断がどう転ぶかわからない状態でした。もし、ICOが改正資金決済法の対象に入るとすると、国内登録事業者になる必要があり、資本金が1000万円以上必要なほか、約9000万円ほどのコストがかかってしまいます。

そうしたリスクを抱えていた状態だったので、当初は日本でのICOを諦めて、ALISのホワイトペーパーも英語や中国語で出し、日本以外の海外の国だけを対象にしたICOに向けてマーケティングなどを行っていました。

その後、国際的な状況を踏まえて、「(ALISが発行するような)トークンはあくまでデジタルアセットであり、仮想通貨には当たらない」という公式見解が出たのです。「これでいよいよ、日本初のICOプロジェクトを堂々とスタートできる…!」 そうして、日本発の世界に向けたALISのICOが始まったのです──

文=西村創一朗(HARES)

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