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ライター、エディター

Tony Barson / gettyimages

カンヌで高い評価を得た作品を日本で劇場公開するまでには、字幕をつけ、邦題に工夫を凝らし、独自の切り口を見つけ、日本の観客に届けなければならない。邦題やコピーはどのようにして決めるのか──。

昨年のカンヌ映画祭で主演女優賞を獲得した、フィリピン映画「ローサは密告された」の宣伝担当に聞いた。

マニラのスラム街で4 人の子供と暮らすローサは、家計の足しにするべく少量の麻薬を扱っていたが、警察に見つかり逮捕される──。原題は「Ma’ Rosa」。タガログ語で「母であるローサ」など、さまざまな意味が想像できるが、明確な解釈はない。

「怖いもの見たさで売ろう、という方向性は早い段階で決めました」と、同作品を配給するビターズ・エンドの宣伝担当の藤森朋果さんは言う。ドゥテルテ大統領が推し進める“麻薬撲滅戦争”は、時事性があり、日本でも多くの人が認識している。

女優賞を受賞したジャクリン・ホセは、日本では知名度はないが、フィリピンでは売れっ子大女優。スラム街に暮らす母親にしか見えないその演技が賞を獲得したのも納得だが、“家族の物語”は数多ある。

「それより市井の人々がどういう目にあうのか。一般人が麻薬と結びついているところに驚きがある。“ヤバいもの見たさ”は、エンターテインメントになるんです」

キーワードに選んだ言葉は、原題にはない「密告」。「密告されたローサ」ではなく、「ローサは密告された」とすることで、どんな人が密告したのか? 密告が当たり前の社会って? と、考えを巡らせることができる。

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「ローサは密告された」は、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中

「雑貨を売る。麻薬を売る。それが日常。」という珠玉のコピーは、「ふてぶてしさを出したい」という考えから生まれたという。ローサは悪いことをしたとは思っていない。それは、先の「怖いもの見たさ」に繋がる。

忘れてはならないのが、カンヌマーク。「カンヌマークが入ることで、B級に見えない。品位を保ってくれるんです」

文=古谷ゆう子

 

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