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2017.08.31

肉を使わないバーガーの「NLB」、ホールフーズと提携で事業拡大へ

sarsmis / shutterstock


最適のタイミングで参入

NLBの開業当初からの顧客には、立ち上げから間もなかったツイッターのビジネスに貢献したアレックス・ペインがいた。同社を退職後オレゴンに戻っていたペインはNLBのバーガーを非常に気に入り、同社事業への出資を決めた。

NLBは現在、すでに4店舗を開設しており、うち2店舗は先ごろアマゾンに買収された自然食品スーパーマーケット・チェーン、ホールフーズの店内に入居する。米国内におよそ450店舗を持つホールフーズとの提携は、NLBの全米展開に向けた足掛かりともなり得る。今後のさらなる事業拡大を目指すマットは、10年後には1000店舗を擁する規模のチェーンを築くことを思い描いているという。

ただし、その実現に向けた道のりは長い。「インアンドアウト」はすでに325店舗、ハンバーガーレストランの「シェイクシャック(Shake Shack)」も150店舗近くを開業している。そして、「インポッシブルバーガー」を運営するインポッシブルフーズは株式非公開企業のため業績を公表していないものの、グーグル・ベンチャーズやビル・ゲイツなど多くの投資家から数百万ドルを調達しており、メディアの関心も高い。インポッシブルフーズは2011年、スタンフォード大学の生化学者パトリック・ブラウンが創業した。

NLBにとって、ホールフーズとの関係が重要であることは言うまでもない。ホールフーズは自らを米国で最も健康的な食料品店と位置付け、食品には人工的な原料を使用しないという基本理念を共有してくれるサプライヤーを求めている。そして、アマゾンがホールフーズの買収に動いた背景には、その忠実な顧客たちの存在がある。

米国では現在、「ミートレス(肉不使用)」という言葉が盛んに使われている。NLBはまさに最適のタイミングで、野菜を使った代替食品の関連市場に参入したといえるだろう。非営利団体インスティテュート・オブ・フード・テクノロジー(IFT)によると、少なくとも週に1日は肉を食べないことにしているという米国人は、38%に上るという。

編集=木内涼子

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