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2017.08.30 16:30

SNSが変える女子の「友達観」 関係はより健全に?

Photo by GettyImages

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SNSが「出会い系」サイトと似て非なる役割を担うようになったのは、いつからでしょう。
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ネットで知り合ってリアルで会う。この行為が男女に運命の出会いをもたらしたケースもあれば、悲しい事件を招いたことも幾度もあり。しかし、今やその行為が主に「同性」または「嗜好が同じ者」同士で急速に普及しています。旅が好き、カフェが好き、ディズニーが好き……「好き」で繋がった女子たちが、初対面ながら打ち解けて共に「好き」の追求を深めていく姿がよく見られているのです。

例えば、「#タビジョ」というハッシュタグ。旅行会社HISのインスタグラムアカウントが提唱している、かわいい女子旅の写真を募るハッシュタグです。8月25日時点で30万を超える投稿が集まっており、そのハッシュタグをつけている旅好き女子同士でオフ会(実際に会うこと)も催されています。

もうひとつ、女子の濃密なやりとりが見られるハッシュタグをご紹介します。それは、「#Dヲタさんと繋がりたい」。Dヲタは「ディズニーオタク」を意味し、ディズニーを好きな人同士で仲良くなりたい人のためのハッシュタグです。
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投稿件数は3万件強と、人気ハッシュタグの中では多くないものの、投稿にはコメントが多数つき、「次にインパ(=インパーク、ディズニーランド/シーに入園すること)するタイミングは、合わせましょう!」など、ざっくりと会う約束が交わされるシーンも多々見られます。

SNSは、毎日のように触れるもの。「遠くの親戚より近くの他人」という諺もありますが、まさに1年に数回連絡を取り合う元同級生より、毎日投稿にコメントをくれるSNS越しの知人の方が、心理的距離も近くなるのです。

中学が一緒だったから、サークル仲間だったから、勤務先が一緒だから……これまでは、そんなコミュニティ由来の共通点が友情のきっかけになることが常だったのが、今やインターネットに接続すれば日本中、世界中から自分と嗜好の合う人にリーチすることができてしまう。



同じ時間を共にするのなら、本当に話が合う相手と会いたいと考えるのは至極当然です。付き合いで一緒にいるのではなく、好きだから、話が合うから一緒にいる──。SNSによって友達という関係は、偶然ではなく意思によって生まれるものへと変わり、より強固で主体的な関係に変容しつつあるように思います。

また、コミュニティ内では、ちょっとした内緒事も翌日には全員に伝わってしまう、なんて事態も起こり得るため、第三者の目を意識しながら行動してストレスが蓄積するケースも多々。その点SNSで繋がった友人は気軽です。「会いたければ、また会う。会いたくなかったら、二度と会わない」と、感情に正直な行動が容易になります。

しがらみやプレッシャーがなく、気軽かつ自由な関係で育んだ人間関係は心地よく、関係が長続きするのも自明でしょう。

SNSで知り合ってリアルで会うことに抵抗を感じる人は、まだ少なくないかもしれません。しかし、フェイスブックやインスタグラムでは自身の写真を投稿する機会も多く、「会ってみたら男性だった」なんてことは僅少。また、SNS上にもゆるやかにコミュニティは存在するため、コミュニティ内の友人・知人の投稿で相手のことを確認することもでき、それがリスク回避にもなります。

こうした最低限の用心を怠らなければ、今やこの大きな波には乗ってしまう方が楽しいし、人間関係は広くも深くもなります。

コミュニティが増えにくい大人になると「なかなか友達ができない」とも聞きますが、SNSの普及により、今や何歳からでも友達をつくりやすい時代。まだ抵抗がある方も、思い切って、まずは「自分の好きなこと」を発信してみてはいかがでしょうか。思わぬ、一生モノの出会いがあるかもしれません。

文=山田茜

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