「有名人を生む無名の男」が語る、ブランドが乗るべき3つの波

シェップ・ゴードン(Kevin Winter / gettyimages)


共有の波

ゴードンによると、ブランドが備えるべき新たな波は3つある。第1の波は、全てが公共物になる動きだ。

現在どこのレストランでも見られる共有テーブルは25年前には存在し得なかった、とゴードンは言う。この流れの先駆者の一例はスターバックスだが、他の企業も後に続いている。

「こうした波の発生原因を探し、そこに入り込む準備をしておくことが重要。そうすればブランドは勝てる」

大麻の波

2つ目の波は、大麻合法化による事業機会の拡大だ。全てのブランドがこの波に乗れるわけではないが、観察と考慮に値する動きであり、「米国で大麻を合法化する州が増え、研究の進展によりその効果が実証されるにつれ、流れが変わってきている」とゴードンは指摘する。

大麻から新たな収入源を確保したレストランやパン屋など、多くの先進的ブランドがこの波に乗っている。健康状態に合わせ、従来の薬と同時に大麻を処方する医療機関に加え、法令順守や支払いなど、大麻業界の課題点に合わせた新たな事業に取り組む企業もある。

社会意識の波

第3の波は、社会意識に関する動きだ。ブランドは「ペイ・イット・フォワード(恩送り)」で自らの善行を他者と共有することに関心を持つ消費者や企業を利用できる。

ブランド各社は人々との個人的つながりを保つため、特定の社会問題に的を絞った特別イベントやポップアップショップ、慈善イベントを企画している。社会的意識を中心としてブランドの特性を配置し直したブランドは、以前と同じ水準かそれ以上の売り上げを得ている。

現代の消費者は自らの行動について充実感を得たいと思っており、それを他人にも伝えたがっている。こうした消費者行動により、ブランドの認知度は高まる。

象徴的な地位の獲得

ゴードンは、自身の成功は懸命な努力によるものだとし、ブランドもそうするべきだと信じている。

「社会・文化的な環境の変化に合わせることも大事だが、十分な時間をかけることも大事。達成したいことについて明確なビジョンを持つことも必要だ。ブランドで目標を達成したい理由、それによる成果、達成のための手法を全て本当の意味で理解し、人一倍努力しなければならない」

シェップ・ゴードンが、まさにこれを成し遂げたことに疑いの余地はない。自らの魅力を維持し、成功を続ける象徴的なブランド各社を見れば、その助言が正しいことは明らかだ。何十年にもわたりトップに君臨し続けるブランドは努力を続け、明確なビジョンを持ち、新たな波に乗り続けている。

編集=遠藤宗生

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