ハケットは、昨年までフォード傘下の自動運転企業「Ford Smart Mobility」の責任者を務め、テック企業の買収をはじめ、ウーバーやリフト、テスラ、アルファベット傘下のウェイモなどに対抗するための戦略策定を担ってきた。
ハケットは、自身のこれまでの経験と、フォードが持つ乗用車やフリート車両の生産・販売のノウハウを活かし、新たなモビリティサービスの構築を目指すとしている。ハケットは、フォードが今月サンフランシスコで主催したカンファレンス、「City of Tomorrow Symposium」に登壇し、次のように述べている。
「フォードはこれまで、既存の自動車事業以外は全て“モビリティ”と一括りし、別事業として扱ってきた。モビリティと呼ぶことは、長期的な取組みとして位置付ける上で好都合だったのだ。今後は、モビリティも合わせて一つのフォードとして展開していく」。
カンファレンスでは、自動運転車がもたらす変化や、ますます悪化が予想される都市部の渋滞の緩和策について協議された。ハケットは、自動運転車の開発と合わせて、収益を生むサービスを構築することで渋滞問題に対処していく方針を示した。
走行中の車両から取得したテレメトリデータやリアルタイムの交通情報を活用し、都市のスマート化を推進するという戦略も考えられるが、ハケットは自動運転車以外の構想に関してコメントを避けた。
「フォードをはじめ、メーカー各社がスマートカーの開発に取り組んでいるが、環境の整備こそがスマートカーの普及において非常に重要だと考えている。我々は、スマートシティの到来に備えて準備をしていきたい」とハケットは言う。