ビジネス

2017.08.28

お金を出して、世の中を変える Readyforが考える「新しいお金のカタチ」

Readyforの米良はるか代表取締役CEO


そうした世界を実現するにあたって大事になるのが、どんな気持ちで出資者がお金を出したのか。私はどんなプロジェクトであっても、必ず何らかの取引関係が発生していると考えています。「寄付」という言葉は、Wikipediaでは「取引関係のないお金の流れ」と説明されていますけど、取引関係がないなんてありえるのでしょうか? お金を出しているからには必ず何かが返ってきているはず。私はそれを定義したいんです。

誰かの夢とつながるプラットフォーム

また、Readyforを運営してみて、リターンにも様々な種類があることに気づかされました。例えば、コミュニティへの参加権利。5000円の出資で何かを存続させたということは、そのコミュニティを手に入れるという意味でもあります。「ある空間とつながる感覚」が出資者のリターンになる。

先日、とあるアーティストのワンマンライブを開くプロジェクトが達成された際、私もプロジェクトの出資者からライブに招待されました。この方は、支援者同士のつながりでライブの看板を書いてくれる人を紹介してもらうなどして、支援者同士のつながりをどんどん増やしていったそうです。そしてライブ終了後、「一度お金を出して人の夢が動くのを見たら、一気に楽しくなってきた」と語ってくれました。

お金はポジティブな意味でもネガティブな意味でも、とても強力。だからこそ、私はポジティブな力を引き出したいんです。クラウドファンディングはお金を集める機能だけど、それを超えだけでなくお金を出すことで人と人をつなげる手伝いになれば、と思っています。

コミュニティへの参加や単純な感謝など、リターンにも色々あります。この感覚を、お金を出す側の気持ちを考えながら設計するのがキモ。モノが溢れた現代では、「お金を出すこと」で返ってくるのはお話やコミュニティなど、物理的なモノには限られないはず。

ちょっとした出資が、誰かの夢や社会変革につながっていることを実感できる。そんなプラットフォームになれば、嬉しいですね。

編集=Forbes JAPAN編集部

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