ビジネス

2017.08.25

世界IT長者番付、アジア出身者が3割以上に

アジア首位のジャック・マー(Photo by Wang He/Getty Images)

フォーブスは8月23日、「テック業界の世界長者番付」を発表した。2015年から公表しているこのリストに名前が挙がる富豪のうち、アジア太平洋地域の出身者は年々増加しており、今回は上位100人のうち35人となった。

最も多かったのは中国出身者で、本土から17人、香港と台湾からそれぞれ3人がランクインした。これら23人は全て、アップル向けのビジネスに携わっている。

アジア首位はジャック・マー

アジア太平洋地域では、中国の電子商取引(EC)最大手アリババ・グループ(阿里巴巴集団)の創業者、ジャック・マー(馬雲)が3年連続の首位となった。世界全体では7位。保有するアリババ株の評価額が大幅に上昇したことが、資産を374億ドル(約4兆1000億円)へと押し上げた。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している同社の株価は、8月中旬に発表した今年4~6月期の四半期業績がウォール街の事前予想を上回ったことを受けて急上昇。また、同社株価は年初から90%以上値上がりしている。

ジャック・マーと僅差での2位に入ったのは、中国のインターネットサービス大手、テンセント・ホールディングス(騰訊)創業者で会長のポニー・マー(馬化腾)だった。テンセントのゲーム事業とメッセージアプリ「WeChat(ウィーチャット)」の成功を背景に、この1年で保有資産を67%増やしている。最新の推計による資産総額は367億ドル。アジアの富豪ランキングではアリババ会長のマーとトップ争いを繰り広げている。

中国以外では─

中国以外では、日本の孫正義が3位にランクインした。世界全体のランキングでは10位となる。外国では苗字で誤解されることもありそうな孫は、ソフトバンクの創業者であり会長。保有資産は推定224億ドルに上る。

通信事業からロボット開発まで幅広く関連事業を手掛けるソフトバンクは、米通信事業者スプリントの経営権を持つほか、ヤフー・ジャパンの株式の43%を保有。そのほか同社が出資する事業には、半導体製造や映画製作、電子商取引、配車サービス(中国の滴滴出行や東南アジアのグラブ、インドのオラ)などがある。

韓国からランクインした4人のうち、2人はサムスン電子を中核とする同国のコングロマリット、サムスングループのトップだ。李健熙(イ・ゴンヒ)会長と息子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長がそれぞれ、14位と36位に入った。

世界一の「自力で富豪」女性もIT長者

「自力で億万長者」になった女性の世界ランキングの1位、香港の周群飛(Zhou Qunfei)は、世界のIT長者番付では26位に入った。保有資産は102億ドル。iPhone用タッチスクリーンを製造するレンズ・テクノロジー(藍思科技)の創業者で最高経営者(CEO)である周は、同社が2015年に上場すると翌年には富豪の一人に名を連ねた。

アジアの女性ではもう一人、アップルやサムスン、ソニー向けのガラススクリーンを製造する香港の伯恩光学(Biel Crystal)の共同創業者、林惠英(Lam Wai Ying)の名前が挙がった。同社の株式を夫の楊建文(Yeung Kin-man)とおよそ半数ずつ保有している。

編集=木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事